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なぜ「今」DXが注目されているのか?
2025年というリミットを目前にし、中小企業を含めた多くの企業において、DX推進が求められているのは間違いありませんが、DXの目的は単に「2025年の崖」を乗り切ることだけではありません。
人々の営みや社会情勢の変化などで、「今」DXが注目される理由というのは「2025年の崖」問題以外にも数多く発生しています。
この章では、そんな「今」DXが注目されている理由について詳しく解説します。
消費者行動の変革
ここ数年で社会のあり方が急速に変化し、ビジネスに関わる環境や消費者行動も大きく変化しています。
特に、次の4つが消費者行動に与える影響は顕著です。
- クラウドサービスの拡充によって、オンプレミス型システムからの転換が加速
- スマートフォンを始めとするモバイルが普及し、企業内インフラやネットワークの利用(アクセス)方法が変化
- ソーシャルネットワークサービス(SNS)の普及により、消費者の情報収集行動が変化し、企業のブランディングやマーケティングに影響を及ぼす
- 消費行動にインターネット販売の占める割合が増え、ビッグデータアナリティクス(ビッグデータ分析)の重要度が増大
こうしたデジタルトレンドを取り入れた企業マーケティングを行えば、経営の効率化にも繋がり、商品やサービスの開発にも消費者の声を取り入れやすくなっています。
逆にいえば、こうした流れに乗る、つまりはDX推進が出来なければ、今後のデジタル社会で生き抜いていくこと自体が難しくなってきているのです。
コロナ禍による働き方の変化
新型コロナウイルスまん延の影響を受け、人々の働き方は大きな変化を余儀なくされました。
どこかへ出かける時にでも、出来る限り非接触型サービスの利用が求められているように、企業の働き方においても「通勤」という他者との接触を極力避けることの出来る、テレワークの導入が強く推奨されています。
経産省の【DXレポート1.0】を含めた数々の資料の中でも、テレワークは企業がDXを推進するための重要なファクターとされており、テレワークを中心とした社内のデジタル改革が求められているのです。
デジタルディスラプターの存在
先に述べたように、社会構造の変化や消費者行動の変化により、デジタル技術を活用したこれまでにない新たなビジネスモデルが数多く生み出されています。
そして、「新たな価値観」を持ったビジネスモデルによって、「既存のビジネスが破壊される」という事が起こり始めているのです。
例えば、通販サイトAmazonを始めとする世界的に巨大な販売ネットワークが形成されたことにより、中小の販売店は大きな影響を受けています。
店舗型の販売店が生き残るためには、単に商品を陳列し販売するだけでは困難になっており、販売方法などを転換し、ネット販売などでは実現できない付加価値を付ける事が求められるようになっているのです。
こうした既存のビジネスを破壊(ディスラプト)する存在を「デジタルディスラプター」と呼びます。
米国のGAFAM(Google、Amazon、Facebook(現:Meta)、Apple、Microsoft)といった巨大企業は、まさにこの「デジタルディスラプター」であり、世界中のどんな業種・業界においても無視できない存在になっています。
彼らのビジネスによって、世界中のビジネスの形が大きく変わってきているのです。
インターネットによって世界中と繋がる事が出来る現代では、どんな国のどんな小さな商店であったとしても、そうした巨大企業の影響を無視することは出来なくなってきているのです。
まとめ
「デジタルトランスフォーメーション:DX」を知らない人、または言葉は聞いた事があるけどどういうものかまだ良く分かっていないというDX初心者に向けて、今さら聞けない3つの疑問について解説しました。
- なぜ略称は「DT」ではなく「DX」なのか?
- DXにまつわる「いつ?」を解説
- なぜ「今」DXが注目されているのか?
これらの疑問に対する答えは、それを知らないとDX推進が出来ないという類のものではありません。
しかし、これらの疑問は全てDXの本質に関わる内容であり、DXへの理解を深めた推進策を策定するためには、実は非常に重要なことでもあります。
この機会にこれらの疑問をしっかりと解消し、DXの真髄を理解した推進策に取り組んでください。