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近年、企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション/以下:DX)の導入は必須となってきており、コロナ禍で対面商売が難しくなった販売業では特に早急な対応が必要でしょう。
販売業のDXとして代表的な例として、「ECサイト」の構築があげられます。
しかしECサイト構築を試みた企業は多いものの、実際にうまく運営できている企業はどれだけあるでしょうか?
ECサイト構築には、ユーザーと真正面から向き合ったUI/UXという考え方が必須です。
そこで今回はUI/UXの基礎概念と、ECサイト構築のポイントを解説します。
新たなビジネスチャンスを生み出す可能性のある、ECサイト構築のヒントを学んでみてください。
ECサイト構築に欠かせないUI/UXとは?

優れたECサイトとは、ユーザーが使いやすく分かりやすいサイトです。
企業が自社商品やサービスを販売するサイトを構築する際は、なによりユーザーファーストで利便性の高いサイトを設計する必要があります。
そのために必要な考え方が、UI(User Interface:ユーザーインターフェイス/以下:UI)及びUX(User eXperience:ユーザーエクスペリエンス/以下:UX)です。
ここではUIとUXの基礎概念を解説しながら、それぞれの優れた導入事例についてご紹介します。
UI(ユーザーインターフェイス)とは
UIとは、ユーザー(利用者:User)+インターフェイス(接点:Interface)の言葉通り、ユーザーと製品・サービスとの「接点」を指すIT用語です。
接点とは、物理的なものであればマウスやキーボード、パソコンの外観などを指しますし、Webサービスであればサイトのデザインやフォントなど、ユーザーにとって視覚で触れる部分すべてを指します。
つまりコンピューターとユーザー(人間)の間にあって、情報のやり取りをする仕組みそのものがUIです。
優れたUIのための【UIデザイン4原則】
- 近接
関連性のある情報と情報を近接位置に設置。ユーザーが探す情報にストレスなく導く
- 整列
関連性のある情報を同配列に設置することで、情報の検索性を向上させる
- 対比
同じ字の大きさや色ばかりが続き単調に見える事を防止。文字の大きさや色、見出しの挿入等で強調し、視覚的に分かりやすくする
- 反復
まとまった情報を繰り返し提示することにより、ユーザーも情報を受け取りやすくなる
この4原則を反映させたUIは例外なく分かりやすく、ストレスの少ない操作性を持っています。
そのため、Webサイトで紹介する製品やサービスはより一層引き立ちます。
UIの優れた事例 |NETFLIX

動画のサブスクリプションサービスとして人気のNETFLIX。
サイトのトップ部分は字体や大きさ、色によってサービスが分かりやすく表現されています。
すぐにユーザーがサービスを利用できるよう、画面中央にアクセスポイント(メールアドレス記入欄)を設置。
「どこに知りたい情報があるか」「どこに触れたらどのような展開となるか」が、一見して分かるよう、優れたデザインが取り入れられています。
ユーザーとコンピューター間の操作ストレスを無くし、ユーザビリティ向上に繋がった優れたUIデザインの好例です。
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは
UXとは、ユーザー(利用者:User)+エクスペリエンス(体験・経験:eXperience)の言葉通り、製品・サービスを通じて得られるすべてのユーザー体験を指すIT用語です。
UXはUIよりも広義の意味を持ち、UIを高めることがUX向上に繋がるといった相互補完の関係性にあります。
【優れたUXから得られる体験の例】
- 情報が検索しやすい
- 提供される情報が整理されている
- サービスの申し込みまでの流れが分かりやすい
こうした感情をユーザーが持つ(体験する)ことがUXです。
UXを充実させユーザビリティの向上を目指すことで、サービスの質や満足度が上昇する等、結果的に競合他社との差別化に繋がります。
UXの優れた事例|mercari(メルカリ)

誰でも簡単にモノの売買ができる「フリマアプリ」として知名度が高いメルカリ。
ネット上でモノの売買を経験したことがない個人でも、「フリーマーケットを開く感覚」を体感しながら、誰でも気軽に商品の出品ができるECサイトです。
メルカリでは多くの人が簡単な操作によりモノの売買が行えるよう、分かりやすい利用ガイドを設置することはもちろんのこと、商品情報の投稿、売買取引、発送に至るまでを優れたUIにより表現しています。
こうしたUIデザインにより、ユーザーは細かい説明書を見ずとも感覚的にサービスを利用することが可能。
これこそがUXに配慮したサイトとしてメルカリが機能しているという証明です。
そのうえでメルカリでは「簡単にフリーマーケットを開くことができる」だけでなく、「不用品をメルカリで販売しよう」という発想をユーザーにもたらし、新たなビジネスチャンスをも生み出しました。
>>次ページ【UI/UXを意識したECサイト構築のポイント】