【業界インタビュー】ITの力で世の中を変えるDX推進|TIS株式会社(後編)

【業界インタビュー】ITの力で世の中を変えるDX推進|TIS株式会社(後編)

長年銀行やクレジットカード会社の基幹システムを支えてきたTISインテックグループの「TIS株式会社」から、DXサービスコンサルティング部の鈴木剛氏をお迎えしてキャッシュレス決済システムやB2B決済の拡充についてお話を伺う本連載。前編では、決済システムの現状や課題についてお伺いしました。

後編では、今後の決済システムで重要な役割を担うB2B決済についての課題や、小規模店舗が決済システムをDXする際の課題についてお伺いします。

さらには、今後のTISが目指す方向性についてもお伺いしますので、どうぞ参考にしてください。

>>前編

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B2B決済を進める上での課題

TIS株式会社DXサービスコンサルティング部の鈴木剛氏21
TIS株式会社DXサービスコンサルティング部の鈴木剛氏(以下同)

B2B、B2C限らず、システムの開発・提供を行っていくうえで、現状考えられる課題などはございますか?

鈴木氏

「我々というより、決済システム全体として考えなければならないことですが、『利便性と情報の保護』をどのくらいの案配で調整するかというのが難しいところです。

一方で、銀行やカード会社でも、データの利活用というのは今盛んに言われています。つまり、取得したデータを守るだけでなく、上手く活用したいという需要も確かにあります。

そうなった時に、データを活用しつつ、安全性を守る情報の保護や情報の利活用におけるモラルのようなところのバランスをどうするべきか。この点については、より知恵を絞らないといけないだろうなと思います。」

その部分は、やはりTISは過去の経験の蓄積もたくさんおありでしょうから、力を発揮できる分野ではないでしょうか?

鈴木氏

「そうですね。『今会社を作りました』というような会社が、この分野でなにか出来るかというと、なかなか難しいと思います。

もちろん、技術的には出来ると思いますが、セキュリティとデータの利活用を上手く両立するためには、経験が必要です。どれくらいの規模で、どの程度のことをやってきたのかという蓄積においては、当社にはこれまでの実績という点で一日の長はあるかとは思っています。」

決済システムを利用する事業者にとっても、大切な顧客データの取扱いに対する重要なテーマです。そのシステムを作るとなると、企業の信頼度が大きく関わるところですね。実績や経験が少ないベンチャーがなかなか大きな仕事ができない理由も、そこにあるのでしょうが。

鈴木氏

「もしかしたら、そこは役割分担する方法もあるのかなと思います。

直接一般のお客様に触れる決済システムのサービス提供などのフロント部分は、色々とベンチャーが出やすいところもありますが、システム開発の部分になると資金の問題もありますし、なかなか難しい部分があるでしょう。そこは、我々のようにある程度実績のある企業が担当すべき部分もあると思っています。

ただし、TISでもこれまでのように裏方だけやっていくのではなく、『自分たちでもどんどんサービスを作っていこう』という流れが生まれています。」

小規模店舗が決済DXを進める課題

TIS株式会社DXサービスコンサルティング部の鈴木剛氏22

今エンドユーザーのお話が出ましたが、現時点でキャッシュレス決済を導入していない事業者や店舗が、自社のDXを進めていこうとした場合、『こういうところに気をつけたほうがいいよ』というようなアドバイスはありますか?

鈴木氏

「DX全体に言える話ですが、やはり『何を目的にするのか?』『ゴールは何か?』ということが明確になっていないと、決済用の端末を1つ入れて終わりみたいなことになってしまうかと思います。

例えば飲食店では、レジをキャッシュレス決済に対応したレジに変えれば、それなりには利便性は高まります。しかし、飲食店でDXが真価を発揮するためには、決済端末を1つ入れるだけではなく、ハンディターミナルと連動してキッチンにも情報がリアルタイムに伝達されるかなど、オペレーションをどうするかというところが重要だと思われます。

決済部分だけをデジタル化しただけでは、その飲食店の課題はおそらく解決しないと思います。店の規模によってオーダーシステムは連動させるべきなのか。それとも、伝票だけは手書きでアナログ対応にするのか、あるいはレジ1つでそれらの情報を全て統括できるフルデジタルの状態にするのかなど、お店全体を俯瞰してみて『じゃあ、ここにはこういうものが必要だな』という考え方が必要だと思います。」

決済システムだけを組み込んだところであまり意味はなく、せいぜい1日のレジ締めが楽になる程度です。それであれば手数料を払ってでもやる意味はないよというイメージでしょうか。

鈴木氏

「そうですね。導入する方も、目的とゴールをきちんと決めておかないと『導入して終わり』になってしまい、実際に入れてみたら従業員から『前より使いづらいんですけど』と言われることになりかねませんよね。」

ベンダーやサービス提供者からの『これやってみたら便利ですよ』という言葉に乗せられて、本質的なところに目が行っていないと『なんかゴールが違う』みたいな話になってしまいます。サプライチェーンやバリューチェーンのような、全体の流れの一部として決済システムを考えていく必要があるわけですね。

鈴木氏

「サプライチェーンというと、本当に製造業のごく一部の人にしか関係していないような言葉と捉えられがちですが、実はそうではなく、全産業、全社会的なレベルで考えていかないと駄目だと思います。

全体を見て『じゃあ、うちはここが足りないからここを目指そう』と考えていくこと。課題と目標が明確になっていることが重要だと考えます。

そして、それをお店や企業のトップの方が宣言して、リーダーシップを取ってやっていくということが重要だと思います。」

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この記事の執筆者

DXportal®運営チーム

DXportal®編集部

DXportal®の企画・運営を担当。デジタルトランスフォーメーション(DX)について企業経営者・DX推進担当の方々が読みたくなるような記事を日々更新中です。掲載希望の方は遠慮なくお問い合わせください。掲載希望・その他お問い合わせも随時受付中。

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