【凸版印刷のDX推進事例】印刷業界をDX推進で斜陽産業から引き上げる!

凸版印刷がDX推進で重視するのは『人材力』

一般的にDX推進というと「最先端のデジタル技術の導入」に目を奪われがちですが、それ以上に「人材の確保」が重要だというのは、経済産業省の【DXレポート】の警鐘を受けるまでも無く明らかです。

凸版印刷でも、モノづくりをベースにしつつ、システムからマーケティングまで満遍なく対応したDXを推進していますが、自社においても、また他社へソリューションを提供する場合でも、その過程で最も重視しているのは「人材」だと、同社のDX担当責任者は語っています。

しかし、必要な人材の確保は容易ではなく、多くの企業のDX推進が成功しない大きな要因の1つとなっているのは間違いありません。

凸版印刷ではどのように人材を確保しているのでしょうか。

DXデザイン事業部の新設

DX推進に取り組むにあたって、凸版印刷は2020年度に全社横断型のDX推進組織である「DXデザイン事業部」を新設しました。

新しい部を設立することにより、社内の役職による上下関係や派閥などに阻まれることのなくDXを推進していける組織づくりを目指したのです。

製版の技術者を配置転換

前述のように、凸版印刷では「DX推進のためには人材力がもっとも重要」と考え、専門性のある人材の外部採用を強化すると同時に、社内での人材育成にも力を入れています。

その基本にあるのが、「何者かになりたい」、「色んな事にチャレンジしたい」という従業員1人ひとりの想いを重視する凸版印刷の人事方針です。

例えば、これまでは製版の技術者であった者でも、ITやデジタルへの知見と関心を活かして働けるDX推進を担当する部署に配置転換するなど、柔軟性を持った配置換えを積極的に行い、中途採用の強化と併せて、社内のDX人材を増やしています。

「専門家」より「マルチスキル」を推奨

「専門家」より「マルチスキル」を推奨

凸版印刷が企業として持てる力を最大限に発揮するために必要な人材は、3タイプいるといいます。

  • リーダー:新しい発想で問題解決を牽引する
  • 参謀:現状を分析し、変革を設計する
  • 職人:設計図を形にして世の中にアウトプットする

自分の得意分野を知り、『自分が何をしたいのか』を常に考え続けている人材が、凸版印刷を支えています。

さらにデジタルの世界では、製版の技術者のように従来の職種において「専門家」であるだけでなく、新たな専門性をプラスしたマルチスキルが求められており、キャリアを積みながら常に課題意識を持った人材が活躍できる土壌を作り上げているのです。

かつては職人のような「専門家」であることがもてはやされた時代はありましたが、デジタル社会へ対応していくためには、「マルチスキル」であることが求められるようになってきているのは間違いありません。

凸版印刷が社員に推奨する働き方からは、そんな時代の流れが垣間見えてくるようです。

まとめ

紙媒体の需要の減少により、存続の危機に立たされている印刷業界。

業界全体が直面する逆境の中でも、顧客に対してより良いサービスを提供することを目指して、変革を続けてきた凸版印刷ですが、今や『印刷屋』の枠を超えて、DXソリューションの提供者という立場としても地位を固めつつあります。

凸版印刷を支えているのは、人材力をもっとも重視する企業の姿勢と常に顧客の声に耳を傾けるという企業体質。そして変わり続ける事を許容する社内体質ではないでしょうか。

DXとは「今あるものを伸ばす」だけでなく、時には根本から変革し、新たな価値を創出していく作業です。

今、ご自身の企業をこれから更に発展し続けるデジタル社会へ対応させていくためのヒントは、凸版印刷の取り組みの中に隠れているのではないでしょうか。

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DXportal®運営チーム

DXportal®編集部

DXportal®の企画・運営を担当。デジタルトランスフォーメーション(DX)について企業経営者・DX推進担当の方々が読みたくなるような記事を日々更新中です。掲載希望の方は遠慮なくお問い合わせください。掲載希望・その他お問い合わせも随時受付中。

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