FacebookがMetaに社名変更|メタバース事業に賭けるDX戦略 - DXportal

FacebookがMetaに社名変更|メタバース事業に賭けるDX戦略

FacebookがMetaに社名変更|メタバース事業に賭けるDX戦略

世界的な影響力を持つ米国のIT企業で、GAFAMの一角を担うFacebook社が、2021年10月に「Meta Platforms(メタプラットフォームズ:以下、Meta)」へと社名を変更したことは、日本国内でも大きな話題となりました。

2022年2月2日に発表された情報によると、社名変更直後の2021年10〜12月期の同社売上高は、前年同期比20%増の336億7100万ドル(約3兆8500億円)と好調です。

Facebookという誰もが知っている社名を、あえて変更した狙いは何なのでしょう?

その大きな決断の背景には、これからの時代を先取りするDX戦略があると考えられます。

「Facebook」を生み出し、SNSの時代を切り拓いた同社は、今『メタバース』という新たなテクノロジーを使い、時代を変革させるDX(デジタルトランスフォーメーション/以下:DX)を推し進めようとしているのです。  

今回はそんなMetaの狙いを、さまざまな視点から考察します。

メタバースという新時代の巨大市場に対応していくためにも、貴社のDX戦略のヒントとしてお役立てください。

Facebookが新社名「Meta Platforms」に込めた想い 

Facebookが新社名「Meta Platforms」に込めた想い 

企業にとって社名やロゴは、法人格を表す重要なアイデンティティーです。

中でも、「Facebook」は全世界で月間約29億人が利用しているSNSで、会社名やロゴを知らない人は限られるほどであり、社名自体が巨大なブランド力を持っています。

まずは、それほどの力を持っていた「Facebook」という社名から「Meta」へと変更した想いをひもときます。

プラットフォーマーとしてのポジション取り

プラットフォーマーとしてのポジション取り

前述の通り、米国証券取引委員会(SEC)に届け出た新社名は、「Meta Platforms(商号:Meta)」です。

「Meta Platforms」は、3次元仮想空間である「Metaverse(メタバース)」に含まれている単語、「meta(超越)」と、「Platforms(土台)」とが組み合わされています。

メタバースは、大きな可能性を秘めた市場の1つとして近年大きな話題を集めており、ビッグテックを筆頭に様々な企業が、新たなビジネスチャンスの開拓に乗り出しているような状況です。

そんな中、Metaは大胆にもその言葉自体を社名にしました。

最先端の用語を社名に取り入れ、更に「Platforms(プラットフォームズ)」という言葉を組み合わせることにより、Metaは「メタバースにおける、確固たる地位を築く」という意思をこれ以上ないほど明確な形で表明したのです。

今後、巨大な産業になり得るメタバースにおいて、プラットフォーマーとしての主導権を握ることが出来れば、メタバース市場を取り巻く様々なコンテンツ、インフラ、アプリケーションへまでビジネス拡大を狙う事ができます。

Metaがこの新たな産業におけるプラットフォーマーを目指す理由として、次の2点が挙げられます。        

  • 代替SNSサービスの出現によるFacebookユーザー数の減少
  • 他のプラットフォーマーによるサービス提供の阻害

代替SNSサービスの出現によるFacebookユーザー数の減少

代替SNSサービスの出現によるFacebookユーザー数の減少
出典:Muhammad SalmanによるPixabayからの画像 

Facebookは2022年2月現在、全世界に存在するSNSサービスの中で世界1位のユーザー数を誇っています。

他の主要なSNSと異なる点は、ユーザーは基本的には実名登録制であり、年齢や性別だけではなく、学歴、職歴、ライフイベントなどありとあらゆる個人情報が登録されている点です。

そのため、Facebookに広告を出す側にとっては、それらのデータに基づいて細かなターゲティングをすることが可能になります。

Facebook社は、その圧倒的なユーザー情報を活用して、それぞれのユーザーに合わせた広告を表示しています。

この戦略により、Facebook社は多額の広告収入を得ることに成功し、世界を代表するIT企業に成長しましたが、近年その勢いは陰りを見せ始めていました。

具体的には、2021年第3四半期から第4四半期にかけての月間アクティブユーザー数は約29億人と横ばいになり停滞しました。

更に1日のアクティブユーザーは19億3000万人から19億2900万人へと減少したのです。

これは、Facebook史上初めての減少であり、その衝撃は大きなものでした。

その理由の1つとして、他社のSNSアプリである「TikTok」が、2020年にFacebookを抜いてダウンロード数世界1位になるなど、代替プラットフォームの存在が大きくなってきた事が挙げられます。

代替SNSサービスの出現により、現状のSNSサービスを提供し続けるだけではこれ以上の大きな成長が見込めないと判断したことが、まだ発展途上の産業であるメタバースへ本格的に参入した理由の1つです。 

他のプラットフォーマーによる阻害

他のプラットフォーマーによる阻害

もう1つの要因は、Facebookが他社のプラットフォームに大きな影響を受けてしまうという構造的な課題があります。

Facebookをスマートフォンなどで利用する場合には、AppleまたはGoogleのプラットフォーム上で起動することが必須です。

そのため、Facebookのサービス内容も、AppleとGoogleが定める運営方針の影響を大きく受けてしまいます

象徴的な例としては、2021年春以降、Appleがアプリによるユーザーの行動を監視・追跡をブロックするなど、個人情報保護の機能を強化し続けていることが挙げられます。

これにより、Facebookのビジネスモデルであるターゲティング広告の精度が低下してしまい、結果的にFacebookの広告ツールとしての利用が減少するなど、経営に大きな影響を及ぼしました。

そんなFacebookの現状について、Meta CEOのマーク・ザッカーバーグは次のように語っています。

「他のプラットフォームで事業を展開することがどのようなものであるかを学びました。他のプラットフォームのルールのもとで生活することで、私のテック業界に対する見方は大きく変わりました。消費者には選択肢がなく、開発者には高い手数料がかかるため、イノベーションが阻害され、インターネット経済の足かせになっていると考えるようになりました。」

引用:Metaホームページ「Founder’s Letter, 2021」より

上記の発言にも現れているFacebookが抱えるビジネスモデルの問題を克服し、誰にも阻害されないプラットフォーマーへとゲームチェンジしなければならないという想いが、マーク・ザッカーバーグに「Meta Platforms」への社名変更を決意させたのです。

企業のリブランディング  

企業のリブランディング  

米国では、企業がリブランディングの為に社名変更することは珍しい事ではありません。

確かに、Facebook社という名前は世界的な知名度があり、圧倒的なブランド力を有していました。

しかし、その名前には、過去に発生した個人情報の漏洩、企業利益を優先しているとする内部告発、暗号資産の発行に対する政府からの批判などによって、ネガティブなイメージもついてしまっていました。 

また、Facebookを使用しているユーザーの中心は中高年であり、Facebookという名前自体には「若年層に選ばれる流行りのSNS」というイメージはありませんでした。 

今回の社名変更は、Facebookという名前につきまとうネガティブなイメージを、新たな企業イメージへと刷新すること、つまりリブランディングすることも大きな狙いの1つです。

これにより、若年層を中心に新たなファン層の獲得を目指しています。 

>>次ページ/時代はWeb2.0からWeb3.0へ!Meta成功の2つのカギ

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この記事の執筆者

株式会社MU 代表取締役社長 / フロントエンドエンジニア

山田 元樹

社名である「MU」の由来は、「Minority(少数)」+「United(団結)」という意味。企業のDX推進・支援をエンジニア + 経営視点で行う。 最近の趣味は音楽観賞と、ビジネスモデルの研究。 2021年1月より経営診断軍師システムをローンチ

株式会社MU 代表取締役社長 / フロントエンドエンジニア

山田 元樹

社名である「MU」の由来は、「Minority(少数)」+「United(団結)」という意味。企業のDX推進・支援をエンジニア + 経営視点で行う。 最近の趣味は音楽観賞と、ビジネスモデルの研究。 2021年1月より経営診断軍師システムをローンチ

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