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WEB会議の定着や業務アプリの利用拡大により、企業の通信環境を取り巻くデータ量は、ここ数年で一気に増えました。さらにインバウンド需要を背景に、店舗では「誰でも快適につながる」安定したWi-Fi環境が、今や当たり前に求められています。
一方で、快適なネットワーク環境を整え、日々安定して運用し続けるには、高度化・複雑化する技術への対応が欠かせません。ただ、それを社内だけでまかなうのは、決して簡単ではないのが実情です。特にIT専任者がいない企業では、総務担当者や若手社員が、本業の合間を縫って対応しているというケースも少なくありません。
本来は、本業に集中するためにIT環境が必要なはずなのに、そのIT対応そのものが、本業の時間を奪ってしまう。多くの企業が、そんなジレンマを抱えています。
では、ITの専門家が社内にいない企業は、どうすれば手間をかけずに、最適な通信環境を整えられるのでしょうか。
今回は、オフィスや飲食店などのネットワーク環境を整備する「おまかせLAN構築」「ギガらくWi-Fi」を通じて、各地の通信インフラを一気通貫で支えるNTT東日本株式会社の無線&IOTビジネス部でWiFi/LAN企画を担当する宮平智仁チーフ(以下:宮平氏)にお話をうかがいました。
一社完結のワンストップ体制と、地域に根差したサポート。その強みが、IT担当者不在という課題をどう解決していくのか。インフラ構築から導入後の監視・保守までを「おまかせ」できるサービスの全体像を通して、企業が本業に集中するためのIT環境づくりのヒントを探っていきます。
【本記事の要点】
- ITリソースが限定的な中小企業における、ネットワーク管理の外部化(アウトソーシング)を通じた経営資源の最適化
- 設計、施工、保守を一社完結で担う「おまかせLAN構築」がもたらす、通信品質の担保と事業継続性の向上
- 単なる接続手段を超えた、将来的なデータ利活用や集客施策の基盤となる戦略的インフラ構築の重要性
物理的な配線から保守まで、すべてを「おまかせ」できる安心感

オフィスのレイアウト変更や新規開設時、多くの企業が最初につまずくのが、「物理的なネットワーク環境」の構築です。煩雑になりがちな配線や機器選定を一手に引き受ける「おまかせLAN構築」とは、どのようなサービスなのでしょうか。
宮平氏
「『おまかせLAN構築』は、オフィスや店舗のLAN環境について、検討から施工、完了後の図面作成までを一気通貫で提供するサービスです。2023年から始まり、これまで500社程のお客様のLAN構築を担ってきました。
LAN環境を整えるサービスといっても、単なる配線工事にとどまらず、お客様の課題を丁寧にヒアリングし、最適な構成を考えたうえで形にするのが特徴です。完成後は図面としてしっかり残すため、将来的な補修や変更にも対応しやすくなります。
導入期間はクライアントによってさまざまですが、簡易な案件であれば、最初の相談から1ヶ月以内に完了するケースもめずらしくありません。一方で、大規模なプロジェクトでは、ヒアリングから工事完了まで数ヶ月、場合によっては半年ほどかかることもあります。
特に、3~4月の入社・異動シーズンや、10月の組織変更、店舗の新規開店時期には、ご相談が増える傾向にあります。」
他社サービスと比べたときの違いは、どこにあるのでしょうか。
宮平氏
「ヒアリングから施工まで対応する会社は多くありますが、NTT東日本の強みは、一社完結で提供できることです。回線の提供からネットワーク機器の整備、導入後のトラブル対応まで、すべてをまとめてお任せいただけます。
もう一つの特徴は、地域密着であることです。各地に修理の駆けつけを行う保守部隊を配置しています。一般的に、オーダーメイドの通信コンサルティングは大企業向けになりがちですが、「おまかせLAN構築」は、地域の中小企業に寄り添うことを大切にしています。NTT東日本が売りたいものを提案するのではなく、お客様の業務内容や予算に合わせて、最適な形を一緒に考える。場合によっては、当初想定されていた内容をあえてダウングレードしたり、複数の選択肢を提示したりもします。こうした姿勢が、信頼につながっているのではないでしょうか。」
各地で徹底的にお客様に寄り添い、一気通貫でLAN構築をサポートする。そんなサービスが生まれた背景には何があったのでしょうか。
宮平氏
「通信技術は年々高度化・複雑化していますが、その一方で、IT専任者がいない企業は少なくありません。コロナ禍以降、WEB会議や業務アプリの利用が急増し、現場で扱うデータ量は飛躍的に増えました。
しかし弊社の調査によると、法人の約7割にはITの専任部署や担当者がいないということがわかっています。ITに少し詳しい総務担当者や若手社員が、本業の合間に対応しているケースが多いのです。そこで私たちは、『とりあえずNTTに相談すれば、最適なものを一通りそろえてくれる』という状態をつくりたいと考えました。通信まわりのことで悩む時間を減らし、お客様が本業に集中できる環境を提供する。それが、このサービスの原点です。」
「IT担当者不足」という切実な課題に応えるために

顧客の実情に合わせ、徹底的に寄り添う姿勢は、どのように磨かれてきたのでしょうか。
宮平氏
「サービス開始から現在までの2年間、主にコンサルティング品質と、対応可能案件の拡大に力を入れています。サービス開始当初はお客様の要望を正しく汲み取れていないなどの課題もありましたが、オペレーターの徹底的なトレーニングによって満足度を向上させてきました。また、コンサルティングや手配ができる機器の追加や、施工可能な工事工程の拡充などにより対応できる案件の幅も拡大しています。」
「おまかせLAN構築」の今後の展望について教えてください。
宮平氏
「今はネットワークインフラ構築が中心ですが、将来的には、その先にある業務アプリケーションまで含めたサポートを目指しています。勤怠管理や給与計算、受発注システムなど、ネットワークを使って行う業務そのものをお任せいただく。そうすることで、お客様が本業だけに集中できる環境をつくっていきたいですね。」
「置くだけ」で終わらない。ビジネスを加速させるWi-Fi活用

続いては、店舗などで欠かせないWi-Fiサービス「ギガらくWi-Fi」について、その特徴を教えてください。
宮平氏
「Wi-Fi機器をレンタル形式で提供し、オフィスや店舗のWi-Fi環境を手軽に整えられるサービスです。2014年にスタートし、現在は約40万台の機器が稼働中です。ITに詳しくない中小企業にも使いやすいという点が、最大の特徴ではないでしょうか。サービス名には『とても楽に導入・運用できるWi-Fi』という想いを込めています。事前設定済みの機器をお届けするため、箱から出して、コンセントとLANケーブルを挿すだけで使い始められます。
また、『ギガらくWi-Fi』は最短6営業日で導入できるスピード感も強みです。故障時には即日発送で交換対応を行い、必要に応じて24時間体制の現地駆けつけサポートも提供しています。」
近年はインバウンド客の増加もあり、カフェや店舗でのゲスト用Wi-Fiのニーズが急速に高まっています。そうした中で工夫していることはありますか。
宮平氏
「不特定多数の方々が利用するからこそ、店舗側のリスクを抑えつつ、安心して提供できる仕組みが重要です。NTT東日本ではパスワードの入力だけでなく、メール登録やSNSログイン、アプリ経由など、複数の認証方式を用意しています。万一の不正利用時にも利用者の情報を追跡できるため、オーナーにとっても安心です。」
「ギガらくWi-Fi」の今後の展望はいかがでしょうか。
宮平氏
「最新規格への対応はもちろん、Wi-Fiを通じて得られるデータ活用にも力を入れていきます。来店者の属性や混雑状況を可視化したり、接続時にタイムセール情報を通知したりと、Wi-Fiをただネット環境につなぐための道具から、集客やマーケティングを支えるビジネスの武器へと進化させていきたいですね。」
取材を終えて
事業者の通信環境を整備する「おまかせLAN構築」「ギガらくWi-Fi」は、顧客の手間を最小限に抑えながら最適な通信環境を整備し、技術の高度化にも対応するという、現代の企業が事業を進めていくうえで重要な土台を提供するサービスだと感じました。
丁寧なヒアリングにもとづき、ときには顧客が想定していた内容よりもあえてダウングレードさせたプランを提示することもあるという顧客本位の向き合い方は、企業が安心して通信環境整備を「おまかせ」できる姿勢だといえるでしょう。
「IT環境の整備はプロに任せて、自分たちは事業に集中したい」
「Wi-Fiの環境整備から保守まで、全てをお任せしたい」
こうした要望をお持ちの事業者さんは、「おまかせLAN構築」「ギガらくWi-Fi」の活用を考えてみてはいかがでしょうか。
DXportal編集部® 吉川真布
参考
おまかせLAN構築(おまかせITマネージャー)

URL:https://business.ntt-east.co.jp/service/omakase_it_lan/
ギガらくWi-Fi
URL:https://business.ntt-east.co.jp/service/gigarakuwifi/

執筆者
DXportal®編集部
吉川真布
朝日新聞社で記者として約8年勤めた後、教育・リスキリング系ベンチャー企業に参画。Webライターとしても活動し、大手出版社系メディアなどで、起業家やビジネスパーソンのインタビュー記事を執筆。