衛星データとAIで用地探し|スペースシフトの新サービス【DXニュース解説】

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2026年11月4日、スペースシフト(衛星データの解析サービスを手がける企業)が、衛星データとAIで事業に合う土地の候補を探す「適地探索AI」の提供を開始しました。これは、宇宙から撮影・観測した地表のデータを活用し、耕作されていない農地など、活用されていない可能性のある土地を現地へ行く前に洗い出すサービスです。

このサービスが関わるのは、太陽光発電設備や資材置場、駐車場などの用地を探す仕事です。その中で、広い範囲から候補を絞る工程をデータとAIが担っています。

本記事では、発表された機能と提供の仕組み、そして注意事項を、公式発表に基づき解説します。

【本記事の要点】

  • スペースシフトは、2026年11月4日に、衛星データとAIで事業に合う土地の候補を探す「適地探索AI」の提供を開始した
  • 活用されていない可能性のある土地を、現地調査や営業の前に洗い出し、事業ごとの要件で絞り込む
  • AIの結果は衛星データ解析に基づく推定で、行政上の公式な判定ではない
  • 候補の土地を開発するには、AIの解析とは別に、農地区分や関係法令に基づく確認が必要である

スペースシフトが「適地探索AI」を2026年11月4日に提供開始

衛星データとAIが広域の土地候補を抽出し、現地確認につなげる流れ

2026年11月4日、株式会社スペースシフトは、『スペースシフト、「SateAIs 都」の新ソリューション「適地探索AI」をリリース』で、新サービスの提供開始を発表しました。

項目内容
発表・提供開始日2026年11月4日
発表主体株式会社スペースシフト
サービス名適地探索AI(同社の衛星×AI解析サービス「SateAIs 都」の新ソリューション)
用途の例再生可能エネルギー設備、資材置場、駐車場など

「適地探索AI」は、衛星データとAIで広範囲の土地の状態を解析し、事業に合う土地の候補を探すソリューションです。

サービスの中身:衛星データとAIで、活用されていない可能性のある土地を絞る

衛星データによる広域探索から候補の絞り込み、現地確認までの4つの働き

発表の背景と、サービスの4つの働き、詳細ページが示す仕様の順に整理します。

発表の背景:用地探しに時間と人手がかかる

再生可能エネルギーや不動産開発では、事業条件に合う用地の発見に多くの時間と人手が取られます。地図や航空写真を使い、一筆(土地の1区画)ごとに確認する方法は、担当者の経験や勘に頼りやすく、見落としや判断のばらつきが生じやすいものです。

また、耕作されていない農地などの未利用地は、所有さやの管理負担だけが積み上がっており、一般の売地情報に載りにくいという側面も有しています。つまり、探したい土地がそもそも売りに出されていないことが用地探しを難しくしているのです。

できること:広域の探索から候補の絞り込みまで

発表によると、サービスには次の4つの働きがあります。

働き内容
広域から探索衛星データとAIで対象地域全体を解析し、遊休農地の可能性がある農地や草地など、活用されていない可能性のある土地を洗い出す。航空写真だけでは分かりにくい状態を、現地訪問前に把握できる
事業ごとの絞り込み事業ごとの要件を踏まえ、適合の可能性が高い候補を絞り込む
基準の統一同じAIモデル・同じ基準で対象地域全体を一斉に評価し、担当者による判断のばらつきを抑える
探索の効率化現地調査や営業の前に候補を絞るため、現地確認や交渉など案件化に近い業務に時間を使える

スペースシフトの発表が示す提供の仕組みは、事業者の要件をスペースシフトが聞き取り、同社の衛星データ解析技術を組み合わせて提供する形です。事業者はトライアル利用を経て導入し、実際の用地探索に使います。

詳細ページが示す仕様:衛星の種類・解像度・出力形式

スペースシフトの適地探索AIの詳細ページには、サービスの仕様が載っています。

項目内容
対応する衛星光学衛星(可視光で撮影)とSAR衛星(電波で地表を観測)
解像度(画像の細かさ)土地利用の分類で1m前後から10m、遊休農地の可能性の判定は基本10m
出力形式地図システムで扱うデータ形式(TIFF、SHP、GeoJSON)
対象地域日本全国(海外は要望に応じて対応可能)
料金個別相談

また、用途の例としては次のようなシーンが想定されています。

  • 太陽光パネルや系統用蓄電所(電力をためて送り出す設備)の候補地探索
  • 資材置場・駐車場・倉庫・物流用地の探索
  • 営農型太陽光発電(農地で農業を続けながら発電する方式)の候補把握

なお、AIの解析結果は衛星データ解析に基づく推定であり、行政上の公式な判定ではありません。つまり、このサービスが出すのは「活用されていない可能性のある土地の候補」であり、「開発できる土地の一覧」ではないのです。遊休農地の可能性がある土地でも法的に農地転用が認められるわけではなく、開発には農地区分や関係法令に基づく確認が別に必要です。

WHEREとの連携:土地・所有者情報の確認から地権者への接触まで

衛星データ解析から不動産情報の確認、地権者への接触支援までの連携

スペースシフトは同じ2026年11月4日に、『スペースシフトとWHERE、「適地探索AI」を活用した連携を本格的に開始』も発表しました。WHEREは、JAXA発のスタートアップ企業で、地権者(土地の所有者)とつながる不動産AIツール「WHERE」を開発・販売しています。両社は約半年間の実証を経て、再生可能エネルギー分野を中心に連携を本格的に進めます。

担当役割
スペースシフト「適地探索AI」で衛星データを解析し、耕作状況を推定して遊休農地などの可能性を評価する
WHERE不動産情報をもとに候補地を絞り込み、土地・所有者情報の確認から地権者へのアプローチまで支援する

候補地は次の項目で絞り込めます。

  • 面積
  • 農地区分
  • 接道状況(土地が道路に接している状態)
  • ハザード情報
  • 変電所からの距離

両社が組み合わせる理由は、衛星データだけでは開発できるかどうかを判断できず、不動産情報だけでは耕作の状況を把握しきれないためです。

実証では、候補地の所有者への接触に反響があり、新たな商談につながりました(連携の発表)。両社の連携による事業者向けサービスは、ヒアリングから約2〜3週間で提供が始まるのが目安で、規模によって変わります。衛星データで候補地を見つけてから、不動産情報で所有者に連絡するところまでを、両社で続けて進められる形です。

自社の用地探しに使うならどの工程にデータとAIを使うか

AIで候補を絞り、法令確認と交渉を人が担う用地探しの工程

用地探しは、大きく分けると「候補を集める」「候補を絞る」「法令や現地を確認する」「所有者と交渉する」の順に進みます。今回の発表は、このうち前半の2つを衛星データとAIに、所有者への接触を不動産情報のツールに任せる内容です。一方で、法令の確認と、最終的な判断は、これまでどおり人が担います。

工程今回の発表で任せられること人が担うこと
候補を集める衛星データとAIが対象地域全体を解析し、活用されていない可能性のある土地を洗い出す探したい用途と、満たしたい条件を決める
候補を絞る事業ごとの要件で絞り込む。WHEREでは面積・農地区分・接道状況・ハザード情報・変電所からの距離でも絞れる絞り込んだ結果を見て、現地を確認する候補を選ぶ
法令や現地を確認するなし(AIの結果は推定であり、公式な判定ではない)農地区分や関係法令の確認、現地の確認
所有者と交渉するWHEREが土地・所有者情報の確認から、地権者へのアプローチまで支援する条件のすり合わせと、契約するかどうかの判断

この表で見ると、AIに任せられるのは、広い範囲を同じ基準で見て候補を出す部分と、所有者へ連絡するまでの部分です。候補が事業に使えるかどうかを決める工程は、人の手に残っています。

自社の用地探しで使えるかを考えるときは、まず、地図や航空写真を見て候補を絞る作業に、どれだけの時間を使っているかを確認してみてください。この作業が長いほど、前半を任せる効果が出やすい工程です。

次に、その絞り込みが担当者ごとの経験や勘に頼っていないかを見ます。頼っている場合は、どんな土地を探しているのかを条件として言葉にしておくと、事業者に要件を伝える準備にもなります。

最後に、候補が見つかったあと、農地区分や法令の確認、所有者との交渉を誰がどの順で進めているかも確認しておきましょう。AIを導入しても、この工程は人の手に残る部分です。

まとめ:候補探しをAIに任せるかは、今の探し方の手間と比べて決める

2026年11月4日、スペースシフトが、衛星データとAIで事業に合う土地の候補を探す「適地探索AI」の提供を開始しました。活用されていない可能性のある土地を、現地へ行く前に広く洗い出し、事業ごとの要件で絞り込むサービスです。

用地探しで時間と人手がかかるのは、広い範囲から候補の土地を集めて絞る作業です。このサービスは、その作業を同じ基準で行うことで、現地の確認や所有者との交渉に時間を回せるようにします。

さらに、WHEREとの連携を使えば、所有者に連絡するところまで進められるでしょう。ただし、AIが出すのは推定による候補で、開発できるかどうかは、農地区分や関係法令の確認を経て決まります。

貴社が行うべきは、今の用地探しで候補を探して絞る作業にどれだけの時間と人手を使っているかの確認です。そのうえで、探したい用地の条件を言葉にして整理しておけば、このサービスが自社の探し方に合うかを無理なく比べられるはずです。

DXportal®編集部

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