DXを利用した今後の事業拡張構想

そんな明確な意思を持った秋田氏の目線からは、単に「IT技術を導入すればそれでいい」といったよくあるDXに対する勘違いも見られません。
そもそもDXというのは、IT技術を使って業務効率化や作業性をアップさせるのだけが目的ではなく、それにより新しいビジネスを創出するのが真の目的です。
秋田氏は例えば、「SRiChat」や「SRiChatPRO」を自社の便利なシステムとして利用するだけでなく、広く一般に利用できるサービスとして販売・提供にも取り組まれています。
それだけで満足すること無く、さらなるブラッシュアップを目指しながら新しいビジネスチャンスへと結びつけようとしています。
「今後は完全防水のカメラと連動させるなど、実際の土木の現場でのタフな利用にも耐えうるシステムとしていきたいと思っています。
それにより、より土木業界に特化したシステムを作り上げ、業界全体の意識改革や生産性向上を促すと同時に、他社さんに対しても堂々と販売できる大きなビジネスの柱としていきたいです。」

DXの本質を理解し、着実に推進させる秋田氏の目的意識は明確です。
「これまでは半径100kmを超えると(移動時間の関係で)商売にならないとされていた建設・土木業界の常識を、遠隔システムによってくつがえし新たなビジネスチャンスとしたいと思っています。
また、メーカーとしての材料販売や技術指導といった業務の場合でも、Webによるシステムで距離による制限や問題の相当数にあたる部分が解決でき、サービスの分野にも進出する事ができると期待しています。
これができるようになれば国内のみならず、海外からの需要にも答えることができますので、ますます大きなビジネスへと発展していける可能性があるでしょう。」
現在もベトナムを始めとするアジア各国から技術指導の打診を受けているという同社。
今後ますますの発展を期待させる何かが、秋田氏の自信にあふれた様子からはうかがえます。
土木業界のDX先がけ・技術の架け橋となりたい

最後にどのようなメッセージをこの記事によって伝えたいですか?
そんな質問を投げかけた所、秋田氏からは次のような答えが返ってきました。
「現在、建設・土木業界全体が国土交通省の旗振りのもとで、DX推進が急務とされていますが、現実にはそううまくいってはいないというのが実情です。
そんな中当社は建設・土木業界の中でDXの先駆者として道を拓いて、DXへの糸口をつけていきたいと思っています。
国としてそうした施策に取り組んでいる以上、今後DXに対応できない業者は淘汰されていくことも予想されますので、対応しきれない業者さんの手助けができるツール開発などで、国と業者をつなぎ、さらにはアジアを始めとする国と国との技術の架け橋となりたい。」
それが目下の目標ですと語る秋田氏の口からは、実現を確信させる力強い響きがありました。
まとめ
建設・土木業界のDX推進事例として、今回は岡山の山陽ロード工業株式会社様をとりあえげ、社長の秋田氏にお話をうかがいました。
このインタビューから見えてくるのは、やはり「DXには明確な目的意識が必要」ということでしょう。
場当たり的にITツールを導入すればいいというのではなく、それをなんのために導入し、どのように活用してどういう成果を出していくのか。それを経営者から現場のスタッフまでが統一した理解を持って推し進めることが重要です。
これにより業務プロセスの改善や生産性の向上は生まれ、そこから新しいビジネスが創出されるという、まさに中小企業が目指すべきDX推進のお手本のような例ではないでしょうか。
山陽ロード工業株式会社

インフラを守り、地域を守る【山陽ロード工業株式会社】
創業:昭和42年4月7日
本社所在地:岡山県津山市
【主な取扱商品】
- 変位制限装置用「縦型緩衝アンカーピン」
- 落橋防止システム「パワーチェーン」
- 真砂土舗装材「ビゼンソイル」
- 手動式交通遮断器
- Web会議システム「SRiChat」
- 遠隔臨場システム「SRiChatPRO」
>>山陽ロード工業株式会社公式ホームページ(文中画像引用共)