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近年IoT(Internet of Things/以下:IoT)化が進んだことで、様々なモノとインターネットがつながり、社会全体及び人々の生活における利便性が向上し続けています。
例えば、エアコンや洗濯機といった家電を、スマートフォンのアプリによって遠隔操作する体験をされた方も多いのではないでしょうか。
今や我々の生活でも身近になり、DX(デジタルトランスフォーメーション/以下:DX)を推進する上でも欠かすことのできないIoTですが、その本質的な意味とビジネスにおける有用性は理解していますか?
- IoTの概念と4大要素とは
- IoTはなぜDXに必要なのか
- IoT化はどうやって進めればいいのか
これらの質問に即答できなければ、DXを成功へと導くにはいささか理解度が足りないといわざるを得ません。
そこで、この記事ではIoTの基礎解説から、IoT化がビジネスへどう役立つのかを分かりやすくご説明します。
基礎的な疑問は今ここで解消し、スピード感のあるDX推進が行えるよう役立ててください。
IoTの基礎解説

モノを繋げるインターネット=IoT
IoTは、「モノのインターネット」の意味を持ち、モノ同士がインターネットで繋がり、自動認識や自動制御、遠隔操作などを行うことを指します。
IoTという概念ができる前は、M2M(Macine To Macine/機器同士がインターネットで通信や制御を行う技術)が主流であり、通信の対象が機器に限定されていたのが特徴です。
これがスマートフォンやタブレット等の機器が開発されたことを機にIoTという概念が登場し、業務のデータ分析やモノの位置情報の把握などが可能となり、ビジネスにおける各種作業の利便性が大きく向上しました。
なお、IoTにおいては膨大な量のデータ送受信が行われることから、クラウド領域を使用したインターネット通信を行うことが主流です。
IoT導入の重要性

IoTを導入することは、単に社会や人々の利便性を向上させるというメリットだけではなく、「人や設備の高齢化/老朽化」への対策としても役立ちます。
例えば道路や水道管といった、いわゆる公共の設備は安定供給のために人が定期的にメンテナンスを行っていますが、少子高齢化の影響からメンテナンスを行う技術者そのものの高齢化の影響を受け、隅々まで手が届かず結果として設備も経年により老朽化しているのが現状です。
こうした問題は設備の点検等を難しくさせるだけでなく、新たな設備の建設も困難とさせています。
IoTの導入によって人が行う業務の大部分を機械に任せることが可能となり、体力的に厳しい作業を高齢者が担当することもなくなるなど、持続可能な社会を築く1つの要素ともなり得るのです。
ヒトが担当する業務内容が変わったり、業務上の余裕が生まれる事によって新たなビジネスチャンスが生まれたりというのは、デジタル技術によって新しい企業価値を創出するというDXの考え方の根本を成すものでもあります。
IoTを構成する4大要素

IoTをより理解するためには、IoTを構成する4大要素について知る必要があります。
- デバイス
- 各種モジュール
- ネットワーク
- アプリケーション
それぞれの詳細は次の通りです。
デバイス

「デバイス」とは、インターネットによって繋がるあらゆる端末(モノ)を指します。
具体的にはスマートフォンや家電、車、さらには工場の操作端末や監視カメラなど、インターネットを繋いで遠隔からでも操作することが可能なあらゆるモノが対象です。
仮にそのモノ自体がインターネットに繋がらなくても、インターネット接続が可能な媒体をモノに取り付けることができれば、IoT対象のデバイスとして機能させることが可能となります。
各種モジュール

デバイスに組み込む各種の機器類を総称して「モジュール」と呼び、主に「センサー」「メーター」「ビーコン」などが相当します。
センサーによって温度や湿度、音や光といったデータの取得を行ない、メーターは取得したデータの異常を感知し、重要な情報を選別します。
その後ビーコンによって選別された情報を、無線などを通じてクラウドへ送信。
これによってモノの状態や位置情報を把握することができます。
ネットワーク

モノとクラウドを繋ぐ通信設備や電波を総称して「ネットワーク」と定義し、インターネットもその一部です。
センサーで取得したモノの状態やデータをセンターや管理部門にあるデバイスに送り、ヒトが判断する場に表出させるのがネットワークの役割。
その他、PCとマウスをBluetoothで通信させることもネットワークに含まれるなど、モノのインターネットと定義されるIoTですが、無線も含めたあらゆるネットワークの発展がカギとなっています。
アプリケーション

クラウドに送られてくる膨大かつ様々なデータを、ヒトに分かりやすく可視化するソフトウェアの総称が「アプリケーション」です。
これはPCやスマートフォンのアプリケーションも当然のことながら、データを図やグラフ、整理された情報で分かりやすく表現するあらゆるソフトウェアも含まれ、ヒトの判断を手助けします。
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