コールセンターの後処理が遅い原因|品質を落とさず削る用件別診断票【業界別DX実務ナビ】

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電話を切ったあとの入力が、なかなか終わらない。

コールセンターや、数人で電話と問い合わせを受けている窓口で、こうした悩みを抱えてはいないでしょうか。ところが、電話を切ってから次の電話を受けられるようになるまでの間には、入力のほかに、他部署からの返事待ちや、返金・発送の手続きも含まれています。つまり、入力が遅いように見えて、実際は返事待ちで止まっていることもあるのです。これを、「入力の遅さ」の一言で片付けていては、本質的な原因が分かりません。

平均の後処理時間だけで急がせると、必要な記録が欠け、同じお客様からもう一度電話が来るおそれがあります。担当者の入力速度を責める前に、時間がどこで使われているかを分けて見る。これが、コールセンターをDX(デジタルトランスフォーメーション)する最初の一歩です。

本記事では、問い合わせの種類ごとに、電話を切ったあとの作業を1つずつ書き出し、かかった時間を測る表(用件別診断票)の使い方を解説します。この表を使うと、誰も使わない入力や同じ内容の二重入力といった省ける作業と、対応履歴や返金の確認といった残すべき記録を、見分けられるようになります。専用のコールセンターがなくても、数人で電話を受けている窓口で使えます。

【本記事の要点】

  • 後処理の範囲を先にそろえ、記録・他部署連携・実手続きに分けて時間を見る
  • 同じ用件を10〜20件、一週間だけ、実作業と待ちに分けて予備測定する
  • 削る前に、保存要件と後で使う人を確かめる。対象は、使う人がいない入力と、重複転記、待ちを抱えた状態である
  • 短縮後は、同じ用件で再入電・差戻し・記録不備が増えていないかを、同じ表で確かめる

コールセンターの後処理が遅いのは、どこで時間を使っているからか

通話後の記録、他部署への連携待ち、実手続きを分けて示す図

後処理が遅いと感じたとき、会社としては何から確かめればよいのでしょうか。最初にするのは、後処理の範囲、つまり時間を「どこからどこまで」数えるかをそろえることです。電話を切った時点から数えるのか、他部署の返事を待つ時間を含めるのかで、同じ作業でも時間が変わります。範囲がそろわないと、他社の数字とも、自部署の過去の数字とも比べられません。

後処理(ACW)の範囲を、自部署で先にそろえる

後処理は、英語でACW(After Call Work)と呼ばれます。Micoの解説では、顧客との通話が終わってから、応対を完結させるために行う作業、またはその作業にかかる時間とされています。通話内容と対応結果をCRM(顧客管理システム)へ入力することや、担当部署への引き継ぎが、その例です。

また、通話の管理ではAHT(平均処理時間)という指標も使われます。Udeskの解説では、総通話時間、総保留時間、総後処理時間を足し、処理した件数で割る計算が一般的とされています。ただし、ATT(平均通話時間)に保留を含めるかはシステムごとに定義が違うため、自社のシステムの項目定義を先に確かめることが欠かせません。

診断を始める前に、自部署の「後処理」の範囲を、次の3点で決めて書き残しておきましょう。

  • 始まりは、お客様が電話を切った時刻か、通話が終わる前の入力開始か
  • 終わりは、次の電話を受けられる状態に戻った時刻か
  • 他部署の返事を待っている時間と、返金などの手続きの時間を含めるか

通話中に入力を始めている場合、その分まで後処理に含めると、通話時間と同じ時間を二重に数えることになります。通話中の入力は、別に記録しておきましょう。

範囲を決めたら、時刻の取り方は途中で変えません。変えてしまうと、前の数字と比べられなくなります。

遅いのは入力か、待ちか、手続きか

前の項の範囲で、他部署の返事待ちや返金などの手続きまで含めて後処理を数えると、その中には性質の違う3つの作業が混ざります。「後処理が長い」と感じたときは、このどれに時間を使っているかを分けて見なければなりません。3つの作業については、下の表で整理します。

工程中身例
記録応対の要約、分類、別の画面への転記対応履歴の入力、顧客管理表から出荷管理表への入力し直し
他部署連携他部署への確認や依頼と、その返事倉庫への在庫確認、承認者への相談
実手続き返金、発送、注文変更など、お客様への約束を実行する作業返金システムの操作、発送の手配

さらに、同じ工程の中でも、手を動かしている「実作業」と、他部署の返事を待っている「待ち」を分けるのが基本です。他部署の返事を待つ時間は、オペレーターの作業の速さとは別に生まれます。

つまり、同じ「後処理が長い」でも、直す場所は原因ごとにまったく違うのです。

  • 入力が長いときは、入力する項目や同じ内容の転記を見直す
  • 返事を待っているときは、他部署への依頼の出し方や待ちの扱い方を見直す
  • 手続きが長いときは、手順を見直す。ただし、お客様への約束の実行は省かない

どれが原因かを分けないまま急がせると、必要な記録まで削られるおそれがあります。

自部署のデータを、工程と実作業・待ちで分けて持つこと。ここが、後処理を改善するDXの出発点です。

後処理が遅い原因を、用件別診断票で測る

後処理は、全体の平均では原因が見えません。返品の用件と住所変更の用件では、終話後にやる作業がまったく違うためです。では、どう測ればよいのでしょうか。

電話を切ったあとの作業を1つずつ分けて測る手順と、その結果を書き込む診断票の記入例を、順に見ていきます。

同じ用件を10〜20件、一週間だけ測る

測る手順は次のとおりです。専用のツールは使いません。紙でも表計算でも始められます。

  1. 用件を1つ選ぶ。後処理が遅いと感じている、件数の多い用件がよい
  2. その用件の電話を、10〜20件、一週間だけ記録する
  3. 終話後の作業ごとに、手を動かし始めた時刻と止めた時刻を書く。返事を待つときは、依頼した時刻から返事が戻った時刻までを「待ち」と書く
  4. 作業ごとに、診断票の他の列(後で使う人、完了条件、不備時に起きること)を書き込む

最初に用件を1つに絞るのは、用件によって、電話を切ったあとの作業も、かかる時間も違うためです。たとえば返品の用件と住所変更の用件を混ぜて測ると、出てきた平均の時間が、どちらの用件の実態なのか分からなくなります。1つの用件に絞れば、時間がかかっている作業を、その用件の中で見つけられるのです。

この「10〜20件・一週間」という範囲は、傾向をつかみ、異常を見つけるための予備測定です。ここから効果を確定したり、他の用件へ当てはめたりはしません。なお、測るときは、次のルールをそろえておきましょう。

  • 実作業は、実際に手を動かした時間だけを合算し、中断した時間は除く
  • 待ちは、依頼してから返事が戻るまでの経過時間とする。その間に別の作業をしたときは、その作業を実作業として別に記録し、待ちと実作業を足し合わせて後処理の時間にはしない
  • 改善前の診断票は保存しておき、改善後は同じ票に追記して比べる
  • 担当者、時間帯、用件の難しさの違いを、備考に記録する

診断票の列と記入例(後処理の記入テンプレート)

用件別診断票は、1つの作業を1行に書く表です。次の表は、通販の窓口で返品の希望を受けた用件を、1件分記入した、記入項目と改善案の見本です。1行目の列名を表計算にそのまま移せば、後処理の記入テンプレートとして使えます。

なお、時刻と改善後の確認の欄は、測った時刻と結果をそのまま書くため、「測って記入」としています。

用件類型作業名(工程)開始・終了実作業か待ちか後で使う人完了条件・必須記録不備時に起きること改善区分改善後の確認
通販・返品希望返品希望の要約を履歴に入力(記録)測って記入実作業返金担当、次に電話を受ける担当返品か交換か、商品の状態、お客様に約束した次の動きが書かれている同じ説明を、お客様にもう一度求めることになる選択式化(返品理由・商品の状態)+短い自由記述記録不備、再入電を同じ用件で確認
通販・返品希望顧客管理表から出荷管理表へ、同じ内容を入力し直す(記録)測って記入実作業出荷担当2つの表で内容が一致している2つの表の内容が食い違い、返送先や商品を間違える自動連携、または共有フォームへの1回の入力差戻し、記録不備を同じ用件で確認
通販・返品希望履歴の「備考」欄への自由記述(記録)測って記入実作業使う人がいない(所管部門にも確認)なしなし廃止(保存要件を確認してから)記録不備、再入電に変化がないことを確認
通販・返品希望倉庫への返品可否の確認(他部署連携)測って記入待ち折り返しを担当する人倉庫が依頼を受け取った記録(受領者・受領時刻)があり、倉庫の回答が記録され、お客様に伝える期限が決まっている回答待ちのまま次の電話が受けられず、折り返しも忘れられる担当者と期限を付けた別管理に移す約束漏れ、再入電を同じ用件で確認
通販・返品希望返金処理(実手続き)測って記入実作業経理、お客様返金システムで処理済みになり、お客様へ伝えた内容が履歴にある返金漏れや、確認の再入電が起きる人による確認を残す(削らない)約束漏れ、再入電を同じ用件で確認

記入されたを読むと、削れる作業と、削れない作業の違いが見えてくるはずです。作業名が「履歴の『備考』欄への自由記述」の行は、毎回の応対で書く決まりになっていても、後から読んで使う人がいない場合があります。入力の手間だけが残っているため、廃止の候補です。

ただし、法令や契約、社内規程で残すよう決まっていないかを、所管部門に確かめてから廃止します。一方、返金処理は、不備が起きると、お客様への約束が果たされません。診断票は、この線を作業ごとに引くための表です。

品質を落とさず削る作業と、残す記録を分ける

不要な入力を減らし必要な記録と顧客への約束を守る判断を示す図

診断票の「後で使う人」と「不備時に起きること」の列から、直す順番が決まります。ここでは、改善区分ごとに、何を直すかを整理します。

後で使う人がいない入力と、重複転記から直す

最初に直すのは、誰も使わない入力と、同じ内容を2カ所に入れている転記です。ただし、使う人がいない入力は、所管部門へ、法令・契約・社内規程・監査・苦情対応上の保存要件を確かめてから廃止します。重複転記は削除ではなく、後続へ同じ情報が届く1回の入力か自動連携への置き換えです。改善区分は次のとおりです。

改善区分当てはまる作業注意すること
廃止後で使う人がいない入力本当に誰も使わないか、他部署にも確かめ、保存要件(法令・契約・社内規程・監査・苦情対応)を所管部門に確認してから廃止する
選択式化自由記述のうち、分類できる項目選択肢にない用件を書ける欄を残す
通話中に取得通話中に分かる情報の入力通話の対応を妨げない項目に絞る
自動連携同じ内容を別のシステムへ入れ直す作業連携後も、表の内容が一致しているか確かめる
AI下書き要約・分類の下書き後述のAI要約の3条件を満たす場合に限る
人による確認返金・発送など、約束を実行する作業削らない。確認の手間だけを減らす
別管理に移す(担当者と期限を付ける)他部署の返事待ち次の項の4条件を満たし、切り離さない案件に当たらない場合に限る

なお、少人数の窓口なら、専用のシステムがなくても、次のような直し方で足りる場合も少なくありません。

  • 入力項目を減らす
  • 選択式にする
  • 共有フォームを作る
  • 既存の顧客管理表に1回だけ入力する

他部署の返事待ちは、条件がそろえば切り離す

他部署の返事を待つ間、電話の対応を終えられず、後処理にその時間を抱え込むことがあります。待ちを後処理に抱えたままにするか、別の担当に引き継ぐ形に切り離して次の電話に戻るか。迷ったときは、次の4つがそろっていれば、切り離してよいと判断することもできるでしょう。

  • 他部署への依頼内容が、記録に残っている
  • 引き継ぎ先が依頼を受け取ったことが、受領者と受領時刻とともに記録されている
  • 誰が、いつまでに、お客様へ折り返すかが決まっている
  • お客様に伝えた内容が、履歴にある

ここでいう切り離しとは、返事待ちの用件を、担当者と期限を付けた別の管理項目に移し、待ちを記録して追う形にすることです。診断票や改善区分の表では、これを「別管理に移す」と書いています。切り離すと、オペレーターが返事を待ったまま次の電話を受けられない状態を解消できます。ただし、問い合わせの解決までの時間が短くなるとは限らないため、引き継ぎ後の処理も別に確かめます。

少人数の窓口なら、共有の表に「受領者・受領時刻」と「次の行動・担当・期限」の列を作り、期限が過ぎた行を毎日決まった時間に確かめる運用から始められます。折り返しが漏れるとお客様の不満につながるため、期限の確認は欠かせません。

そもそも、返事待ちであっても、次の案件は単純には切り離せません。

  • 緊急の案件
  • 本人確認の途中の案件
  • 取消や法定の期限が迫る案件
  • その場で完結すると約束した案件

あわせて、担当者が不在のときの代わりの担当、休日の扱い、期限を過ぎたときのエスカレーション(上位者への引き上げ)も、先に決めておくようにしましょう。

実手続きは、完了条件を決めて省かない

返金・発送・注文変更のような実手続きは、完了そのものを省かず、用件ごとに完了条件を決める対象です。その場で完了できる作業と、経理の承認など後続の工程が要る作業とでは、条件が異なります。

前者は業務のシステムで処理済みの状態を確認する、後者は担当者と期限を決めて引き継ぐ、です。どちらも、お客様へ伝えた内容と対応の状況が履歴にあることを確かめてから、次の電話に戻ります。完了条件を守ったまま、手順を簡単にしたり自動にしたりする検討は、そのあとの段階です。

履歴は、3つに分けて残す

履歴は、記録を「事実」「社内メモ」「お客様へ伝えた内容」の3つに分けると、後から引き継ぎやすくなります。この分け方は、Intensの解説で紹介されています。

診断票の「必須記録」の列には、この3つのうち何を残すかを書いておきましょう。たとえば返品の用件なら、事実は返品の希望と商品の状態、社内メモは倉庫への確認依頼、お客様へ伝えた内容は折り返しの予定、と書き分けます。担当者が変わっても、お客様に同じ説明を求めずに済みます。

AI要約を候補にする条件

AIによる要約は、記録の下書きを速くする手段の1つです。ただし、診断票で「必須記録」が決まっていない状態で導入すると、何を残すべきかが決まらないまま、要約の質も確かめられません。次の3つがそろったときに、候補にします。

  • 入力する項目と、必須記録が先に決まっている
  • 担当者が、要約を読んで確認できる
  • 担当者が直した履歴を残せる

3つがそろっても、すぐに本運用へ進めず、まず限定した用件での試行からはじめましょう。必須記録の欠落や誤記、担当者の確認にかかる時間、重大な誤りの有無を、導入の前後で同じ表に記録します。重大な誤りが出たときに止める条件も、試す前に決めておく必要があります。

なお、通話の内容にはお客様の個人情報が含まれるため、AIへの入力には確認が欠かせません。個人情報の取扱いを監督する国の機関である個人情報保護委員会は、『生成AIサービスの利用に関する注意喚起等』で、個人情報を含む情報を生成AIサービスへ入力する場合、特定した利用目的の範囲内かを確認するよう注意喚起しています。

あわせて、サービスを提供する事業者が、入力された情報を機械学習に利用しないことなども確認するよう呼びかけています。AIを使う前に、契約と設定でこの点を確かめましょう。

経済産業省と総務省の『AI事業者ガイドライン』第1.2版も、AIを利用する事業者が自主的に取り組む指針として参考になります。

通話の録音や、モニタリングの扱いは、運用や契約によって異なります。自社の規程と、必要に応じて専門家に確認してください。

短縮して品質が落ちていないか、同じ表で確かめる

後処理時間と再入電、差戻し、記録不備、約束漏れを併せて点検する図

後処理の時間が短くなれば、それで改善できたと言えるのでしょうか。時間を縮めるために必要な記録まで省いていれば、同じお客様からもう一度電話が来たり、後続の担当が困ったりもするでしょう。

お客様への対応の質が保たれてはじめて、改善といえるのです。本章では、改善の前後を診断票と同じ用件で比べ、後処理の時間と一緒に見る指標と、施策を戻す条件を整理しまう。

後処理時間と一緒に見る指標

後処理時間と並べて見る指標は、次のとおりです。

指標見るもの増えたときに疑うこと
再入電同じ用件で、お客様がもう一度かけてきた電話必要な記録が欠けている、約束の内容が伝わっていない
差戻し後続の担当が、前の担当に戻した件数完了条件を満たさないまま、次へ渡している
記録不備必須記録の欠け項目の削減や選択式化で、必要な情報まで落としている
約束漏れお客様へ約束した折り返しや手続きの漏れ別管理に移したときに、期限の管理が抜けている

診断票の「改善後の確認」の列は、これらを同じ用件で書き足す欄です。改善を始める前に、指標ごとに次の5点を決めておきます。

  • 分母(測った用件のうち何件に起きたかで数える)
  • 観測する期間
  • 同じ用件かどうかの見分け方
  • 同じお客様の再入電を重ねて数えない方法
  • 差戻しや記録不備を誰がどの基準で判定するか

改善前と改善後で、同じ条件の10〜20件ずつ比べます。後処理時間だけが短くなって、他の欄が悪化していれば、その改善は品質を削って得た時間です。

施策を戻す条件

後処理時間が短くなっても、再入電や記録不備が増え、同じお客様の対応にかかる総時間が伸びたなら、その施策は戻す対象です。戻す条件は、改善を始める前に、診断票へ書いておく決まりにします。件数が少ないと、1件の増減は偶然かもしれません。重大な事故は、その場で止めます。

通常の揺れは、事前に決めた期間と件数の範囲で判断し、1件増えただけで効果の有無を断定しません。たとえば、「選択式化のあと、定めた期間内の記録不備が許容範囲を超えたら、自由記述の欄を戻す」といった形です。

条件を先に決めておくと、改善が思うように進まなかったときも、感覚ではなく、同じ表の数字で判断できます。

まとめ:コールセンターの後処理は、人を急がせる前に用件ごとに測る

本記事では、コールセンターや、数人で電話を受けている問い合わせ窓口で、電話を切ったあとの後処理が長くなる原因と、品質を落とさずに削る方法を解説しました。

後処理が長い原因は、担当者の入力の遅さだけではありません。記録、他部署への連携、返金などの実手続きが混ざっているため、同じ用件ごとに、作業を実作業と待ちに分けて測ることが出発点になります。その道具が、用件別診断票です。

診断票で作業を1つずつ見ると、見直す対象と、残すものが分かります。

見直す対象は、次の3つです。

  • 後で使う人がいない入力:保存要件を確かめたうえで廃止する
  • 重複転記:1回の入力や自動連携に置き換える
  • 返事待ち:担当者と期限を付けた別管理に移す

残すべきものは、次の2つです。

  • お客様への約束を実行する手続きの完了
  • 後続の担当が判断するための記録

そして、後処理の時間が短くなったかどうかだけで終わらせず、再入電、差戻し、記録不備が増えていないかを、同じ表で確かめます。これらが増えていれば、その短縮は品質低下を伴っている可能性があります。

後処理を直しても電話の件数が多ければ、窓口の負担は続きます。問い合わせの件数そのものを減らす手段としては、お客様が電話の前に自分で解決できるようにするチャットボットによる自己解決もあります。

最初の一歩は、1つの用件で、10〜20件を一週間だけ予備測定することです。全部を一度に直さず、一番時間を使っている作業を1つだけ直して、同じ表で確かめます。自部署の後処理を、工程と実作業・待ちに分けて持てば、最初に直す1つの作業が決まります。貴部署で、まず測る用件はどれでしょうか。ぜひとも今週のうちに、診断票を1枚作ってみてください。

山田 元樹

執筆者

株式会社MU 代表取締役社長

山田 元樹

社名である「MU」の由来は、「Minority(少数)」+「United(団結)」という意味。企業のDX推進・支援を過去のエンジニア経験を活かし、エンジニア + 経営視点で行う。DX推進の観点も含め上場企業をはじめ多数実績を持つ。