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「営業担当を募集しているが、応募がまったく来ない」
「採用できても半年で辞めてしまう」
中小企業の経営者から、こうした声を聞く機会が増えています。しかし採用難が深刻なのは、営業担当者に限りません。
- 情報発信を担える人材
- マーケティングに関われる人材
- 集客活動を継続できる人材
これらすべてにおいて、確保が難しくなっています。
問題は、この状況が一時的なものではないという点です。少子高齢化による労働人口の減少は今後も続くと見られており、「採用を続けることで集客力を支える」という体制は、持続が難しくなる可能性があります。
では、どうすればいいのでしょうか。そのためには、採用以外の視点、つまり集客活動の体制化やストック型集客メディアの構築という選択肢を、今一度整理する必要があります。本記事では、人手不足が集客に与える影響から、継続できる仕組みをつくるための考え方までを解説します。
【本記事の要点】
- 採用難は営業担当だけでなく、情報発信・マーケティング担当にも及んでいる
- 人に依存した集客体制は、退職・属人化・情報発信停止という複合リスクを抱える
- 継続できる体制をつくることが、人手不足時代の集客力維持の核心である
- ストック型集客メディアは、その選択肢の一つとして位置付けられる
人材が採用できない企業が増えている背景
採用難は今や、規模を問わず多くの中小企業が直面する構造的な問題になりつつあります。その背景には、複数の要因が絡み合っています。
少子高齢化と労働人口減少
日本の労働市場は、構造的な変化のただ中にあります。少子高齢化の進行により、生産年齢人口は長期的な減少傾向をたどっており、働き手の絶対数が年を追うごとに少なくなっています。この変化は特定の職種に集中して影響するものではなく、営業・マーケティング・情報発信を担える人材すべてに及んでいます。
中小企業の採用競争激化
労働人口の減少が進む一方で、採用側の競争は激しさを増しています。大手企業や成長ベンチャーは採用に多くの予算を投じ、給与水準や福利厚生の面でも条件を整えています。中小企業がこうした競争に正面から挑もうとすると、採用コストと条件の両面で不利になりやすい状況があります。
採用できても定着しない問題
採用に成功しても、定着しないケースが増えています。育成に時間とコストをかけた人材が数年で転職してしまうと、また採用・育成のサイクルが始まります。このコストと労力の繰り返しは、中小企業にとって大きな負担となります。
人材不足が集客活動に与える影響
営業担当が確保できないと、まず顧客との接点そのものが減ってしまいます。さらに、新規顧客への働きかけが弱くなり、既存顧客へのフォローも手が回らなくなる。その結果として、情報発信が後回しになり、マーケティング活動が停滞し、集客全体が弱くなっていくという流れが生じます。営業担当の不足は、単に商談機会の減少だけでなく、集客体制全体の弱体化につながるのです。
新規顧客開拓が停滞する
営業人員が不足すると、最初に影響が出やすいのが新規顧客の開拓です。既存顧客対応を優先せざるを得ない状況になると、新規への接触頻度が下がり、売上拡大の機会が少なくなります。「現状維持はできているが、成長できない」という状態が続くと、競合他社との差が開く一因にもなり、中長期的な視点では企業競争力の大幅な低下につながりかねません。
既存顧客フォローが弱くなる
人員が足りない中で新規開拓も続けようとすると、今度は既存顧客へのフォローが疎かになります。定期的な連絡ができなくなったり、問い合わせへの対応が遅れたりすることで、顧客との関係性が薄れていきます。既存顧客は積み上げてきた信頼資産です。その維持が難しくなることは、売上の安定性にも影響します。
社長営業・社長発信への依存が進む
担当者が確保できない場合、経営者が自ら営業し、自ら情報発信し、自らマーケティングを担う状態に陥りやすくなります。経営者の人脈や信用力を活かせるというメリットがある一方で、経営者本来の業務が圧迫されるというリスクが伴います。小規模事業者においてはこうした現状は多く見られますが、これは、社長がいなければ集客も止まるという体制を招いており、組織としての持続性に課題を抱えることにもなりかねません。
売上拡大が難しくなる
少ない人員でやりくりしていると、営業・集客活動の範囲や量に限界が生じます。やれることの総量が頭打ちになれば、売上の成長も自然と鈍くなります。
採用だけで集客課題は解決できるのか?
採用活動を続けることは、もちろん必要です。しかし、採用だけに依存して集客力を支えようとすると、別の問題が積み重なっていきます。採用した人材を育成し、引き継ぎを行い、属人化した状態を維持し続けるというサイクルは、中小企業にとって大きなコストと脆弱性をはらんでいます。採用は課題解決の手段の一つですが、それだけでは根本的な体制の問題は解決しません。
採用・教育コストの上昇
- 求人媒体への掲載費用
- 人材紹介会社への手数料
- 面接・選考にかかる工数、など
採用には相当のコストが発生します。さらに、人材が採用できたとしても、商品・サービスの知識の習得や顧客対応スキルの育成には時間がかかるでしょう。育成期間中は生産性への貢献が限られる一方、コストは発生し続けます。
退職リスク
せっかく採用・育成した人材が退職してしまうリスクも、常につきまといます。特に中小企業では、大手に比べてキャリアパスや報酬面での訴求力に限界がある場合が多く、数年で転職されてしまうケースも珍しくありません。退職が起きるたびに採用・育成コストが再発生し、体制が不安定になるという負のサイクルに入りやすくなります。
属人化リスク
営業や情報発信を特定の人物に依存する体制が続くと、属人化のリスクが高まります。
- 担当者だけが顧客の情報を持っている
- その人がいないと案件が進まない
- その人が書かなければ発信が止まる
こうした状況は、組織の脆弱性につながります。退職や異動が起きた際に大きなダメージを受けやすく、引き継ぎも困難になります。
営業の属人化がなぜ起きるのか、その構造的な背景については、下記の記事でも詳しく解説しています。
執筆者
株式会社MU 代表取締役社長
山田 元樹
社名である「MU」の由来は、「Minority(少数)」+「United(団結)」という意味。企業のDX推進・支援を過去のエンジニア経験を活かし、エンジニア + 経営視点で行う。DX推進の観点も含め上場企業をはじめ多数実績を持つ。


