LINEがパスキー対応を開始|機種変更の引き継ぎで変わること【DXニュース解説】

公開日 : 

share :

2026年11月6日、LINEヤフー株式会社が、コミュニケーションアプリ「LINE」で「パスキー」への対応を順次開始すると発表しました。パスキーとは、パスワードを入力せず、顔認証や指紋認証などでログインできる新しい認証方法です。

LINEを従業員同士や取引先との連絡に使っている会社では、スマートフォンの機種変更や紛失のたびに、LINEアカウントの引き継ぎが発生します。DX(デジタルトランスフォーメーション)の中でも、従業員の端末とアカウントの管理は、日常の業務連絡を止めないための土台です。今回の発表は、その引き継ぎの場面でのログイン方法に、新しい選択肢を加えるものです。

本記事では、自社の従業員の端末でパスキーを使えるか、機種変更の前に何を確認するかを、LINEヤフーの発表と公式ガイドの記載から整理します。

【本記事の要点】

  • LINEヤフーは、2026年11月6日に、LINEのパスキー対応を順次開始すると発表した
  • パスキーを事前に設定しておけば、新しいスマートフォンでも、パスワードを入力せずにLINEにログインできる
  • 使えるのはLINEアプリ26.17.0以上で、同じAppleアカウントまたはGoogleアカウントの利用と、OS間の機種変更でのOSの条件もある
  • iPhoneとAndroidをまたぐ機種変更ではパスキーの事前コピーが前提で、トーク履歴は別にバックアップして移す

LINEのパスキー対応とは:発表の内容と、パスワードを入力しない仕組み

パスワード入力と端末認証によるパスキーを比較した図

LINEのパスキー対応は、LINEヤフーが何を発表したかと、パスキーがどのような仕組みかの2点に分けると理解しやすくなります。この章では、発表の内容、パスキーの仕組みの順に整理します。

LINEヤフーが2026年11月6日にパスキー対応を発表

LINEヤフーは、公式発表『コミュニケーションアプリ「LINE」、パスキーに対応し、より安心・かんたんなアカウント引き継ぎを実現』で、パスキーの目的を、アカウントの引き継ぎを「より安心・かんたん」にすることと位置づけています。

LINEでは従来、機種変更でアカウントを引き継ぐときの認証に、パスワードを入力する方法が使われてきました。今回の対応は、この引き継ぎの認証に、パスワードの代わりに使えるパスキーという方法を加えるものです。

提供は順次で、具体的な開始日や展開の順序は、発表に示されていません。自分のLINEでいつ使えるかは、公式の案内で確かめる形になります。

パスキーとは:パスワードを入力せずにログインする方式

パスキーは、パスワードの代わりに使う方式で、利用者の端末に保存され、端末の認証を通すと使えます。端末の認証には、顔認証や指紋認証といった生体認証(体の特徴で本人かどうかを確かめる方法)などを使います。

従来のパスワードと比べると、パスキーとの違いは次の3点です。

比べる点従来のパスワードパスキー
ログインで入力するもの利用者が覚えて入力する文字列パスワードは入力しない
事前の準備アカウントの登録時にパスワードを決めるパスキーを事前に設定する
忘れたときの影響ログインできなくなる原因になる覚えておくパスワードがない

つまり、パスキーは、利用者が覚えておく情報を減らすログインの方式です。

iPhoneとAndroidをまたぐ機種変更:事前のパスキーのコピー

機種変更前にパスキーをコピーして新しい端末でログインする流れを示す図

パスキーは、機種変更や端末の紛失のときに、LINEアカウントを引き継ぐために役立つ方式です。従来のパスワード入力による認証では、パスワード忘れなどによって引き継ぎにつまずくケースが見られました。パスキーの対応は、このつまずきを減らすことをねらっています。

同じOS同士の機種変更では、同じAppleアカウントまたはGoogleアカウントを使えば登録済みのパスキーをそのまま使えます。一方、iPhoneからAndroid、またはその逆の機種変更では手間が1つ増え、事前の準備が必要です。

事前のコピーで押さえる点は、次の4つです。

項目内容
コピーするもの登録したパスキー
コピーの経路iPhoneの「iCloudキーチェーン」(Appleのパスワード管理の機能)と、Androidの「Googleパスワードマネージャー」(Googleのパスワード管理の機能)の間
コピーする時期機種変更の前。以前の端末が手元にあるうち
コピーした後以前の端末がなくても、新しい端末でログインできる

パスキーのコピーは、OSとパスワードマネージャーの機能で行います。機種変更の前に、コピーしたパスキーでログインできるかも確かめておきましょう。

出典・参照:

使える条件:アプリとOSの要件、同じアカウントの利用、トーク履歴は別の準備

LINEのバージョン、同じアカウント、トーク履歴のバックアップを示す図

LINEでパスキーを使うための条件は、次のとおりです。

項目条件出典
LINEアプリバージョン26.17.0以上LINEヤフーの発表・LINEの使い方ガイド
iPhoneとAndroid間の機種変更(iPhone側)iOS 26以上LINEの使い方ガイド
iPhoneとAndroid間の機種変更(Android側)2026年6月1日以降のGoogle Playシステムアップデートが適用された対応端末LINEの使い方ガイド

つまり、iPhoneとAndroid間の機種変更でパスキーをコピーして使う場合は、iPhoneはiOS 26以上、Androidは2026年6月1日以降のシステム更新(Google Playシステムアップデート)を適用した対応端末であることが条件です。同じOS同士の機種変更では、AppleアカウントまたはGoogleアカウントを新しい端末でも同じく使っていれば、登録済みのパスキーを新しいスマートフォンで利用できます。

もう1点、トーク履歴の引き継ぎは、パスキーとは別の準備です。トーク履歴を引き継ぐには、機種変更前にバックアップを取り、LINEのトーク履歴バックアップ用に設定する暗証番号(PIN)を用意します。手順はLINEの使い方ガイドで確認できます。PINが使われるのはトーク履歴のバックアップの場面で、ログインにはパスキーを使います。パスキーが受け持つのは新しい端末でのログイン(本人確認)で、トーク履歴は別にバックアップして移す、という分担です。

パスキーを登録・削除すると、本人宛てに通知が届きます。

業務でLINEを使う会社が、従業員の機種変更の前に確認すること

従業員の端末入れ替え前に確認する4項目を示す図

従業員が仕事の連絡にLINEを使っている会社では、機種変更でLINEアカウントを引き継げないと、取引先や同僚とのやり取りが止まります。トーク履歴を移せなければ、過去の業務連絡の内容も端末から失われてしまうでしょう。つまり、連絡が止まる影響を受けるのは従業員本人だけでなく、連絡を待つ取引先や同僚にまで及び、ひいては会社業務の停滞につながりかねないのです。

会社がどこまで関わるかは、端末の持ち主で変わります。会社が端末を支給している場合は、入れ替えの時期と手順を会社が決められるため、パスキーを使える条件とコピーの手順を、入れ替えの前に会社が整えられます。

従業員が自分のスマートフォンを仕事に使っている場合は、機種変更の時期を会社が把握しにくいため、引き継ぎで連絡が止まることがある点を、従業員にあらかじめ知らせておくことが、会社にできる備えです。

どちらの場合も、機種変更の前に確認する点は、次の4つです。

  • 仕事の連絡にLINEを使っている従業員が、機種変更や紛失のとき、誰がどのように引き継ぐことになっているか
  • 従業員の端末のOSとLINEのバージョンは、パスキーを使える条件を満たしているか
  • iPhoneとAndroidをまたぐ機種変更が起きる場合、パスキーのコピーを事前に行う流れを、従業員は知っているか
  • トーク履歴のバックアップとPINの準備は、従業員の判断に任されているか

まとめ:機種変更時のログインに、パスワードを入力しない選択肢が加わった

LINEのパスキー対応は、機種変更時のログインに、パスワードを入力しない選択肢を加えました。同じOS同士の機種変更なら同じアカウントを使うだけで引き継げ、追加で必要になるのは、iPhoneとAndroidをまたぐときの事前のコピーです。

会社にできる準備は、従業員の端末の入れ替えが起きる前に、使える条件と、この事前のコピーを知らせておくことだと考えられます。貴社では、業務でLINEを使っている従業員の端末のOSは、条件を満たしているでしょうか。最初に確かめる対象は、そのOSです。

DXportal®編集部

執筆者

DXportal®運営チーム

DXportal®編集部

DXportal®の企画・運営を担当。デジタルトランスフォーメーション(DX)について企業経営者・DX推進担当の方々が読みたくなるような記事を日々更新中です。掲載希望の方は遠慮なくお問い合わせください。掲載希望・その他お問い合わせも随時受付中。