データインテリジェンスの力 |中小企業のDX推進とデータガバナンスの役割

データインテリジェンスの力 |中小企業のDX推進とデータガバナンスの役割

DX(デジタルトランスフォーメーション/以下:DX)が既存のビジネスを根本から変えようとしている現代、中小企業であってもその変革の影響は避けられません。むしろ、業界・業種に関わらず全ての企業は、変革の時代の最前線にいるという意識を持つべき状況です。

こうした時代の中で、「データインテリジェンス」はその変革を支える中核技術として注目されています。当然ながら、中小企業のDX推進においても重要な役割を担う技術です。

しかし、データインテリジェンスの真価を引き出すため不可欠な「データガバナンス」についての理解は十分に浸透しているとはいえません。

この記事では、中小企業がデータインテリジェンスを最大限に活用するための方法と、データガバナンスの重要性について詳しく解説します。

貴社がますますビジネスの競争力を高め、競争が激化する現代社会で持続可能な成長を実現する大きなヒントとして、ぜひご活用ください。

データインテリジェンスとDX推進

データインテリジェンスとDX推進

DXとは、「デジタル技術とデータを活用し、既存のモノやコトを変革させ、新たな価値創出で人々の生活をより良くする」です。

この定義からも分かるように、DXを推進する際にはデータの活用が欠かせません。その核心となる技術である「データインテリジェンス」の重要性は、DXの重要性とともにますます高まっているのです。

この章では、データインテリジェンスの本質と、その成功のカギとなる要素について詳しく解説します。

データインテリジェンスとは

データインテリジェンスとは、メタデータを活用して、データの透明化を図るためのプロセスを指します。

ITに関する情報やコンサルティングを提供するグローバル企業IDC(International Data Corporation)は、データインテリジェンスを次のように定義しています。

“Data intelligence leverages business, technical, relational and operational metadata to provide transparency of data profiles, classification, quality, location, lineage and context; Enabling people, processes and technology with trustworthy and reliable data.”

「データインテリジェンスとは、信頼性の高い情報によって人々やプロセス、テクノロジーに対して、ビジネス上の技術的、リレーショナルな、あるいはオペレーションに関するメタデータを活用し、プロファイル、分類、品質、場所、系統や文脈などに透明性のあるデータを提供することを可能にする。」

引用:IDC公式サイト(日本語訳:DXportal®編集部)

つまり、データインテリジェンスとは、単にデータを収集・保持するだけではなく、そのデータを活用してビジネスの価値を最大化することを指しているのです。

これには、データの収集、分析、そしてその結果をもとにした意思決定や戦略策定が含まれており、迅速かつ正確な意思決定が求められる現代のビジネス環境では、不可欠なものとなっています。

データインテリジェンスがもたらす影響

データインテリジェンスがもたらす影響

データインテリジェンスは、中小企業においてもその真価を発揮します。

特に、データガバナンスをしっかりとベースに据えたデータインテリジェンスは、企業の競争力を格段に向上させる要因となってくれるでしょう。

以下に、データガバナンスを基盤としたデータインテリジェンスが企業にもたらしてくれるメリットを詳しく解説します。

迅速かつ正確なビジネス判断

データガバナンスによりデータの品質や整合性を確保した上で、そのデータを分析し、それにもとづいた判断を行う環境を整えられれば、その結果に基づく判断がより信頼できることは間違いありません。

品質の高いデータをリアルタイムで分析することにより、迅速かつ正確なビジネス判断を下すことが可能になるのです。

コスト削減

データガバナンスのポリシーに従い、データの重複や不整合を排除することは、無駄なコストの削減にも繋がります。

例えば、膨大なデータを活用する場合、組織の部門ごとに管理していては、データの重複や齟齬が生じてしまうことがあるでしょう。また、その記憶スペースの確保や取り扱う人件費など想像以上のコストが必要となります。

しかし、データガバナンスにより組織を横断したデータ統合が行えれば、そこに生じる重複した無駄なコストを削減することに繋がるでしょう。

加えて、一貫したデータ管理のルールやガイドラインによりデータの取り扱いが効率化できるため、業務の生産性も大幅に向上することが期待できます。

顧客満足度の向上

データガバナンスによるセキュリティ強化は、顧客データの保護の徹底にもつながるため、顧客の信頼を高めることにも寄与します。

さらに、品質の高いデータを活用して顧客のニーズや嗜好に合った最適なサービスを提供することを可能にし、顧客満足度を一層向上させます。

データインテリジェンスを成功させるポイント

データインテリジェンスを成功させるポイント

データインテリジェンスを成功させるためのポイントはいくつかありますが、その中でも特に重要なのは以下の2点です。

1点目は、正確なデータの収集です。

ビジネスの意思決定にデータが役立つか否かは、そのデータの質に依存します。不正確なデータや古いデータを基にした意思決定は、ビジネスの失敗を招く可能性があるのです。

そのため、データインテリジェンスに用いるデータは、その収集段階から正確性とタイムリーさを確保することが求められます。

2点目は、適切なデータの解析と活用です。

当然ながら、収集したデータをただ保持しているだけでは、その価値は生まれません。データを適切に解析し、その結果をもとにした戦略や施策を策定することこそが重要です。

このためには、データ解析のスキルを身に付けたり、必要なツールを導入すること、そして分析した結果を活用していける組織文化の醸成が不可欠なのです。

データインテリジェンスは、これらのポイントを踏まえた上で、組織全体で取り組んでいかなければ成功しません。

この中で、1つ目のポイントであるデータの質を担保するために必要なのが、「データガバナンス」です。

次の章では、データインテリジェンスを支えるデータガバナンスの役割について詳しく解説します。

データガバナンスの役割と重要性

データガバナンスの役割と重要性

データインテリジェンスの成功は、データの質やその活用方法に大きく依存すると解説しましたが、この前者を支えるのが「データガバナンス」です。

データガバナンスは、データインテリジェンスの成功に導くために不可欠な要素であり、品質、セキュリティ、プライバシーの確保を通じて、データの信頼性と価値を高める役割を果たします。

この章では、データガバナンスの役割と、それがビジネスにおいてなぜ重要なのかをより詳しく探っていきます。

データガバナンスの概要

データガバナンスとは、一言でいえば「データの統治」を指しており、組織がデータ資産を効果的かつ安全に、さらに迅速に活用できる状態にする阻止を横断した活動のこととと言えます。

この活動には、データの品質を確保するための基準や、データの利用に関するルール、データのセキュリティやプライバシーのガイドラインなどが含まれます。

DX推進に欠かせないビッグデータの取扱いには、データガバナンスをもとにした戦略が必要不可欠なのです。

部門やチームごとに独自のデータルールでデータを収集・管理していると、データの一貫性や信頼性が損なわれるリスクが高くなってしまいます。

そのため、データガバナンスを正しく利用しデータの価値を最大限に引き出すためには、組織全体での統一された方針や手順の策定・実施がカギとなるのです。

データの品質を確保

データの品質を確保

データの品質は、ビジネスの意思決定の正確性や効率性に直結するポイントであり、ビジネスの成功そのものを左右します。

データガバナンスは、データの収集、保存、利用の各段階で、品質を確保するための統一した基準を設けることで、データの信頼性や一貫性を保つ役割を果たします。

データセキュリティとプライバシーの確保

データブリーチ(データ侵害)や不正アクセスなどのリスクを最小限に抑えるためにも、適切なデータガバナンスが不可欠です。

データガバナンスの目的は、データのアクセス権限の設定や、データの暗号化、バックアップなどのセキュリティ対策を策定・実施することで、データの安全性を確保することにあります。

また、プライバシー保護の観点からも、個人情報の取り扱いに関するガイドラインやポリシーを定めることが重要です。

データインテリジェンスに役立つツール3選

データインテリジェンスに役立つツール3選

データインテリジェンスを推進する上では、データをビジュアル化して解析するデータビジュアライゼーションツールなどを活用するのがおすすめです。

ここでは代表的なツールを3つ紹介しますが、それぞれのツールは独自の特徴や強みがあり、組織のニーズや目的に応じて選択することが大切です。

Tableau

Tableauは、ビジュアルデータ分析ツールとして広く知られています。ユーザーフレンドリーなインターフェースを持ち、ドラッグ&ドロップ操作でデータの可視化や分析が可能です。

  • 多様なデータソースとの連携が可能
  • インタラクティブなダッシュボードの作成
  • クラウドベースやオンプレミスでの利用が選択可能

Power BI

Microsoftが提供するビジネスインテリジェンスツール。Excelとの親和性が高く、企業のデータ分析やレポート作成に適しています。

  • データの取り込みから可視化までの一貫したワークフロー
  • AIを活用したデータ解析機能
  • モバイルアプリでのアクセスや共有が容易

Azure

Microsoftが提供するクラウドコンピューティングのプラットフォーム。データインテリジェンスに関連する多数のサービスを提供しています。

【主要サービス】

  • Azure Data Factory:データの取り込み、変換、ロードを行うデータ統合サービス
  • Azure Databricks:Apache Sparkベースの分析プラットフォームで、ビッグデータの処理と機械学習を高速化
  • Azure Synapse Analytics:大規模なデータウェアハウスとビッグデータの分析を統合する分析サービスプラットフォーム

まとめ~データインテリジェンスで中小企業のDXに成功を

データインテリジェンスは、中小企業がDXを成功させるための強力なカギとなります。

ただし、データインテリジェンスを有効活用するには、データの品質やセキュリティを確保するデータガバナンスのサポートが欠かせません。

正確で信頼性の高いデータを活用することで、迅速な意思決定や効率的な業務遂行が可能となり、結果的に顧客満足度の向上やコスト削減にも繋がるのです。

中小企業経営者の皆様は、データインテリジェンスとデータガバナンスの重要性を理解し、その活用を積極的に進めることで、貴社の持続的な成長とDXの成功を実現してください。

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この記事の執筆者

株式会社MU 代表取締役社長

山田 元樹

社名である「MU」の由来は、「Minority(少数)」+「United(団結)」という意味。企業のDX推進・支援をエンジニア + 経営視点で行う。 最近の趣味は音楽観賞と、ビジネスモデルの研究。 2021年1月より経営診断軍師システムをローンチ

株式会社MU 代表取締役社長

山田 元樹

社名である「MU」の由来は、「Minority(少数)」+「United(団結)」という意味。企業のDX推進・支援をエンジニア + 経営視点で行う。 最近の趣味は音楽観賞と、ビジネスモデルの研究。 2021年1月より経営診断軍師システムをローンチ

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