【Google Workspace公式】AIがランサムウェアを検知・ブロック!データ復旧まで支援する新機能が登場
昨今、日本国内の企業においてランサムウェア(身代金要求型ウイルス)による被害が後を絶ちません。大企業だけでなく、セキュリティ対策が手薄になりがちな中小企業が標的となり、業務停止に追い込まれる事例が急増しています。
こうした背景の中、Googleは2025年9月、Google Workspaceの公式ブログにて「AIによるランサムウェア検知」および「ファイル復旧支援機能」の導入を発表しました。
この機能は、Google Drive(デスクトップ版)を使用中のパソコン内で不審なファイルの暗号化などが始まった際、AIが即座に検知してクラウドへの同期を強制停止し、企業の重要データを守る画期的な仕組みです。
中小企業のビジネス活用視点
日本企業を狙ったサイバー攻撃が激化する今、このアップデートは中小企業の経営者にとって「渡りに船」となる重要な対策です。
「サプライチェーン攻撃」の加害者になるリスクを回避
最近の日本国内の事例では、中小企業を踏み台にして取引先の大企業へ感染を広げる「サプライチェーン攻撃」が多発しています。本機能により、万が一自社のパソコンが感染しても、AIがクラウドへの接続(同期)を「自動で遮断」します。これにより、共有フォルダを通じて取引先や社内全体へ被害を拡散させてしまう最悪の事態を防ぐことができます。
専任担当者不在でも「24時間体制」で監視
多くの日本の中小企業では、セキュリティ専任者を置くことが困難です。この機能は、Googleの高度なAIが24時間365日、ファイルの挙動を監視し続けます。「追加の人件費をかけずに、Googleの世界最高水準のセキュリティを自社に導入できる」点は、経営資源の有効活用の観点からも大きなメリットです。
「事業停止(ダウンタイム)」からの早期復帰
国内の被害事例では、データの復旧に数週間〜数ヶ月を要し、その間の逸失利益が経営を揺るがすケースが見られます。今回のアップデートには「感染前の正常なファイルへの復元ガイド」が含まれており、専門知識がない社員でも迅速にデータを戻せるよう設計されています。事業を止めないためのBCP(事業継続計画)対策として極めて有効です。
用語解説
- ランサムウェア
データを暗号化して使用不能にし、復旧と引き換えに身代金を要求するウイルス。近年はデータを公開すると脅す「二重脅迫」も増えている - サプライチェーン攻撃
セキュリティが堅固な大企業を直接狙わず、その取引先である中小企業や関連会社をまず攻撃し、そこから本丸へ侵入する手口 - BCP(事業継続計画)
災害やシステム障害などの緊急時に、中核事業をいち早く復旧させるための計画
参考記事URL
日本企業にとっても必須となる本機能の詳細仕様については、以下のGoogle公式ブログをご参照ください。
Google Workspace Updates: Ransomware detection and file restoration in Google Drive