【最新セキュリティ情報】Google Chrome緊急アップデート!35億ユーザーが対象の「リモートコード実行」
Googleは2025年10月24日(記事公開日)、世界で最も利用されているウェブブラウザであるGoogle Chromeに対し、一週間で二度目となる緊急セキュリティアップデートを配信しました。これは、Chromeの利用者が直面する可能性のある「リモートコード実行攻撃」という極めて危険な脆弱性(ぜいじゃくせい)に対応するための措置です。
この脆弱性は「CVE-2025-12036」として特定され、Chromeの核となる部分「V8 JavaScriptレンダリングエンジン」に影響を与えます。悪意のあるWEBページを閲覧しただけで、特別な操作をせずとも、PCやスマートフォンで不正なプログラムが実行されてしまう恐れがあります。
Googleは、この修正プログラムを今後数日から数週間かけて全ユーザーに順次適用していくとしていますが、安全を確保するためには、ユーザー自身がブラウザのバージョンを確認し、ただちにアップデートを適用することが強く推奨されています。
自社のセキュリティ対策に活かす視点
ITやDX推進の鍵を握る「情報セキュリティ」は、中小企業にとっても最優先で取り組むべき課題です。今回のGoogle Chromeの事例は、以下のような重要な学びを私たちに提供してくれます。
1. 「ゼロクリック攻撃」の脅威を理解し従業員教育を徹底する
今回の脆弱性は、ユーザーが何かをクリックしたり、ファイルをダウンロードしたりといった追加操作なしに攻撃が成立する(ゼロクリック攻撃に近い)点が特徴です。
これに備えるには、従業員に対し、「怪しいリンクをクリックしない」という従来の注意喚起に加えて、「信頼できないサイトを閲覧するだけでリスクがある」という認識を持たせることが重要です。
2. 定期的な「ソフトウェア更新」をルール化する
今回の緊急アップデートのように、サイバー攻撃の脅威は日々進化しており、提供元企業(この場合はGoogle)もそれに対応して頻繁に修正プログラムを配信しています。
そのため、企業で使用するすべてのソフトウェア(OS、ブラウザ、業務用アプリケーションなど)について、「更新を放置しない」ことを社内ルールとして徹底する必要があります。特にブラウザは、PCを再起動するまでセキュリティパッチが有効化されない場合があるため、更新後の再起動手順までを徹底することが必須です。
3. 「AIを活用した防御」という未来のトレンドに注目する
今回の脆弱性が、Google独自のAI搭載セキュリティリソース「Big Sleep」によって発見されたと報告されています。
将来的には、AIが人間のセキュリティ専門家を補完し、未知の脅威を事前に発見・対処する時代が来ます。自社の規模や予算に合わせ、AI機能を搭載したセキュリティ製品やサービスを検討することが、未来に向けたDX戦略の一環となるでしょう。